大遊泳時代
<大遊泳時代>第61回 AV─IT ヘルスの地域専門店のコラボを
2005/03/21 16:18
週刊BCN 2005年03月21日vol.1081掲載
松下電器産業 役員 前川洋一郎
親が世話になっている高級老人ホームに行くと、入居費がかなりの高額だけあって、カラオケ教室、謡講座、コーラス隊、麻雀、聖書、古寺巡礼、水泳、ヨガ、名画シアターと至れり尽くせりである。そこへいよいよ、AV(音響・映像)─ITにもある程度こなれた世代が入居してきたのでパソコンクラブもできてきた。さすがに各部屋にはFTTHはまだなので、ADSLで我慢してもらうが、カラオケの練習には消音電子ピアノが、また曲のダウンロードもできるTVインターネットもある。
ところで、お年寄り1人ひとりがどこまで機器の設定や使いこなしができることやら。電気屋にプラズマテレビを頼んだついでに、パソコンといっても尻込みされるし、パソコン屋を呼んでも電話工事は別と言われるし、介護用品を頼むヘルスショップは…と言ってもホーム指定の業者云々と言われ、面倒臭いこと夥しい。
なにせお金はしっかり持っていても外出しないのがお年寄りだから、地域専門店がもっと攻めこんではと思うのだが。
5年ごとの全国商業統計2002年度版から、はじめて家電主体の家電店とPC・OA主体のパソコン店が区分され、家電店は4万5000店、パソコン店は7800店とのこと。今はもっと分化して、どちらが増えていることか?
これだけ範囲の広い電機業界は、メーカーも事業部制、量販店もフロア制だから、地域小売店も専門特化してはどうだろうか。
もっとも、ユーザーからみれば、ワンストップであって欲しい。お年寄りは、どこへ電話してよいかわからない。だから、地域毎にAV店、白物ヘルス店、IT店がコラボしてお客様の悩みをクリアーしていけば良いのでは。
ねえワトソン君!「技術がコンバージェンスするので、流通も専門化すると同時にコラボがいいね!」。「でも、業界も企業も流通も馬鹿の壁が意外と高いのでしょうね!」。
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