大遊泳時代
<大遊泳時代>第60回 CSOよりCNOが必要では
2005/03/14 16:18
週刊BCN 2005年03月14日vol.1080掲載
松下電器産業 役員 前川洋一郎
コーポレントガバナンスが言われ、コンプライアンス、CSRと続いてきた。これはこれで良いのだが、どうもカタカナ、英略語の氾濫で言うほどに従業員、お客様はついていってないのではないかと心配する。ある時、ある社員より、CEOと会長はどちらが偉いのですか、COOと社長はどっちが強いのですかと聞かれ、困ってしまった。いずれも商法規程がどうなってるかで決まることであるとわかったような顔して答えると、CEO兼会長とは、どういうことかと聞かれた。法制上の権限と責任、統治と監視、そして執行の区分、現実のマネジメントの中でどうなっているのか。お客様にとっては株主総会議長、取締役会議長といっても見えない世界である。
失われた10年間、グローバル化、会計税制とカタカナごっこに振りまわされ、忸怩たるものがある。
そこへ最近、CTO(最高技術責任者)、CFO(最高財務責任者)、CIO(最高情報責任者)、CMO(最高モノづくり責任者)が第2段として登場してきた。
といってもタテヨコの事業制、職能をしいている会社ではどこまで命令ができるか、評価はどうするのか、難しい。
2005年1月号ハーバードビジネスレビューでチャールズ M.エルソンは、「会長とCEOは分離すべきでない」において、いずれもジレンマがあると述べている。
そこへ第3段としてCSO(最高セキュリティ責任者)が登場してきた。個人情報保護、社内情報管理と重要な仕事である。言ってみれば、CNO(最高ネットワーク責任者)かもしれない。これこそ職能、事業の組織を超えるもので大切であり、ここらあたりから本質に入っていくような気がする。
ねえ、ワトソン君!「CSOと言ったら、誰かがチーフセクハラ防止オフィサーと言っていて驚いたよ」。「いやー、それは必要ですね」と冷やかされた。
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