IT Stock Frontline

IPO銘柄の人気沸騰

2005/02/28 16:04

週刊BCN 2005年02月28日vol.1078掲載

公募価格4倍の初値企業も

NECリース、順調なスタート

 2005年のIPO(株式新規公開)が2月8日上場のメディシノバを皮切りにスタートした。

 メディシノバは米国籍のバイオベンチャー。本国で上場しないで日本に上場する初のケースとして注目されたが、公募価格400円に対して405円と人気不発で初値を形成した。公募・売り出し株数が3000万株以上と大量の資金調達を行ったうえ、バイオ株全体が軟調だったことが背景。メディシノバの不人気はこうした同社独自のものが要因だったことで、翌日からの新規公開株は人気沸騰となった。ワールドインテック(人材派遣業)、ワイエスフード(外食チェーン)、ホロン(半導体関連装置)はいずれも公募価格の2倍以上の初値を付ける好人気。

 IT関連の新規公開株も人気を集めた。2月10日に東証2部に上場したNECリースは公募・売り出しによる資金調達が100億円超と大型にもかかわらず公募価格2200円に対して初値2420円と順調なスタート。同社は官公庁や一般企業など幅広い顧客層にリースや割賦などのファイナンスサービスを提供。全国に23拠点を持ち、顧客は5万社を超える。05年3月期は情報関連機器のリース取り扱い高が回復傾向にあるという。

 同じく2月10日に大証ヘラクレスに上場したデジタルスケープは公募価格29万円の4倍以上にあたる133万円の初値を付けた。同社はIT業界に特化した人材派遣会社で、フォトロン(映像情報機器開発でジャスダック上場)出身の藤川幸廣社長が95年に設立。ウェブ、ゲーム制作の売り上げが多く、顧客は凸版印刷、ソニー、コナミなど。デジタルクリエイターの登録者数は昨年9月で9100人超。独自システムで登録者のスキルを客観的に評価し、不足しているスキルを自社内のトレーニングセンターで習得させ、顧客企業に派遣している。(有賀勝久)
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