大遊泳時代
<大遊泳時代>第54回 Tナビで出前サービス
2005/01/31 16:18
週刊BCN 2005年01月31日vol.1074掲載
松下電器産業 役員 前川洋一郎
ブロードバンドに接続しておけば、スイッチオンで即インターネットが立ち上がるデジタルテレビが流行の兆しで、パナソニックの「Tナビ」サービスをみると「出前館」があった。冷かしとモニターの気分で、会社からリモコンで注文してみた。私の職場は38階建てで21階にある。しかも、最近やたらとセキュリティがうるさい。心配ご無用。約束通り30分後にピザが届いて、美味しい昼食となった。
早速、「出前館」運営の「夢の街創造委員会」(大阪市中央区)の中村利江社長にお聞きすると、最近は大盛況とのこと。受注出荷は毎月10万件近く、食べ物に始まり、意外とクリーニングが好調。何故なら夜も自宅に来てくれるからという。そして出前してくれるスーパーにはリピート注文が多く、きゅうり1本、肉100g…でもまとめると5000円を超え、客単価も高く効率が良い。
しかし、配達のできないパパママ店は参加できないねと聞くと、足のない店にはバイク便を紹介してあげるという。
もう1つ、パソコンの知識がないラーメン屋でも、ダメもとでFAXで始めたら、月100件の注文が殺到とのこと。変わったところでは、帰宅途中に携帯電話で夕食を手配、帰宅と同時に届いてハイごはん という便利なのもある。
そういえば先日、FAXメール情報サービスの京都の日本テレネット(京都市中京区)瀧栄治郎社長に聞くと、ネットの時代となってプルのウェブもいいが、プッシュのFAXが紙の一覧性・記録性を見直されて増加しているとのこと。
B2Cネット取引は24時間・低料金が魅力で、これまでチケット、株、旅行、衣料、車…という類が裾野を広げてきたが、今後はテレビ、携帯、FAX、パソコンがミックスして急成長するであろうとのこと。何もできない老舗がかわいそう。老舗、旧来商品も第2のe創業で立ち上がってほしい。
ねえ、ワトソン君!!「ベンチャー、ベンチャーというけど第2創業も大事だね」。「たまにはいいことを言いますね。小泉総理に提案しませんか?」。
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