未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業
<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>12.エヌ・アイ・コンサルティング
2005/01/24 20:43
週刊BCN 2005年01月24日vol.1073掲載
中小企業向けSFAに照準
ITを使った経営コンサルティング集団として、1991年に創業したエヌ・アイ・コンサルティング(NIコンサルティング、長尾一洋代表取締役)。98年からは、当初のコンサルティングサービスだけでなく、企業向けパッケージソフトの開発・販売事業を開始。今では売上高5億円(04年12月期)の約80%をソフト販売事業が占めるまでに成長した。
NIコンサルティングのパッケージソフトは営業支援システム(SFA)関連ソフト。業種ごとに4つのラインアップを用意している。営業担当者が提出する日報をチェックすることで、営業担当者の業務を改善する。中小企業のユーザーに焦点を当てた機能が特徴で、「SFAという中小企業には馴染みのない分野だが、ユーザーは容易な設定で、即時に機能を理解し利用できる」(長尾代表取締役)。また、10クライアントで30万円からと、「競合のSFAソフトに比べてはるかに安い」(同)価格にした。
大企業に利用されることが多いSFAを中小企業向けにアレンジし、価格も低価格に設定したことが奏功し、販売パートナーが約80社集まった。その結果、中小企業を中心に1040社に納入した。また、ソフトを導入した顧客の売り上げが下がった場合、下がった分に応じてライセンス料を返金するプログラムを用意した。もっとも、「これまで一度も返金したことはない」(同)ほどの実績を顧客企業にもたらしているという。
コンサルティングサービス会社がソフト販売を手がけたのは、ソフトがあった方がコンサルティングを提供しやすいと考えたのが発端。長尾代表取締役は、「IT関連に精通していたわけでもなく、片手間で開発した」とか。今ではソフト開発者15人を揃え、コンサルタントの人数とほぼ同等の人員を確保。サポートやバグへの対応を即時に行う体制を整えている。
「当社にとって、パッケージソフトはあくまでコンサルティングサービス提供のためのツール。だが、ソフト開発・販売で培った実績をもとに、経営コンサルティングサービスを提供できるのは当社の強み。ソフトとコンサルの両方を持っていることで、中小企業市場を開拓する」と長尾代表取締役は話す。
今年度は、コンサルティングサービス事業強化のため、コンサルタントの数を増やすと同時にソフト開発販売事業もさらに拍車をかけていく。夏には新バージョンをリリースし、今年度中に2000社への納入を目指す。(木村剛士)
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