「チャレンジ」

古厩賢一社長

　親会社の日立製作所は、キーワードに「信頼」と「スピード」を掲げているが、日立電子サービスは、この2つの言葉に加えて「チャレンジ」を掲げる。保守サービスというメインの事業だけでなく、ネットワーク運用監視やITアウトソーシングなど、新たな領域でビジネス拡大を図るための挑戦的な1年となるからだ。

　IT産業は、急速に拡大してきた時代を過ぎ、すでに成熟産業となっている。IT産業全体の伸び率は、前年比で5％以下で推移するだろう。ハードウェアの低価格化は進み、保守事業で中心であったハードのメンテナンスビジネスは大幅な拡大を見込めない。

　一方で、ネットワークの運用監視サービスやeラーニング、ITシステムのアウトソーシングなどのITサービス分野は堅調で、今後も成長が期待できる。新たな成長路線を築くためには、この分野が強化ポイントとなる。

　日立グループの保守サービスの中核として、修理・メンテナンス事業を手がけていく方針は変わらないが、ITサービスでも独自の強みを持たなければならない。

　保守サービス提供会社は基本的に、受身で慎重な集団。カスタマーエンジニア（CE）は、新たな提案はせずに顧客の要望にだけ応えている体質がある。保守サービスだけでなく、ITサービスでも日立電子サービスらしい強みを持てるように、果敢にチャレンジする。