「得手に帆を揚げる」

大畑 勢（すぐる）社長

　得意分野を勢いに乗って伸ばす「得手に帆を揚げる」は、私の一番好きな言葉だ。得意でない部分を正すことは大切なことだが、ただ欠点をなくすことばかりに汲々としていては伸びるものも伸びない。「おまえのいいところはここだ」と褒められたところを、一所懸命に伸ばす努力が心地良いと感じる人は多い。人の集合体である企業でも同じことだと思う。

　昔はソフトウェアを開発するだけで商売になった時期があったが、今はそうでない。中国やベトナムなど生産力が高い国が、大量に安くソフトウェアを生産しているし、欧米企業はERP（統合基幹業務システム）など優れたパッケージソフトを世界で展開している。

　そうしたなか、当社の得意な分野は何かを考えると、それは業種・業務に関するノウハウを注ぎ込んだ業務アプリケーションの分野だ。

　業種別に見れば、自治体や金融、サービスに強く、それぞれの分野で得意の業務アプリケーションを持っている。オープン環境で開発した自治体向け次世代総合行政情報システム「ウェブリングス」は、これまで全国150近い自治体に納入したヒット商材となった。ホストコンピュータで管理してきた住民基本台帳などの基幹系システムをオープンなウェブリングスに置き換えたいという自治体も増えており、拡販に手応えを感じている。

　今年は、こうした得意分野をさらに伸ばしていきたい。