「クオリティ」

大塚孝一社長

　設立80周年を迎えた昨年は、マネジメント力強化と原点回帰をテーマとした。日本事務器の新たな飛躍のための元年と位置づけ、創業以来の社是に立ち返り、優れた商品の開発と新分野の開拓に力を入れた。また、社員、組織、経営のマネジメントを強化した年でもあった。

　自社開発ERP（統合基幹業務システム）の次期バージョンの研究開発を進めるとともに、セキュリティ事業では新事業ユニットを新たに設立。さらに、IPセントレックスサービスの新会社を設立するなど、積極的に新商品、新分野に投資してきた。今後も、特定の業種向けに特化したソフト開発会社を、新たに数社設立しようと思っている。

　今年は、投資してきた新商品と新ビジネスの精度を上げる年、つまりクオリティの追求に力を尽くす年にする。高品質の優れた商品を作り、正しい商売をすれば、自ずと成長は見えてくる。

　今年度（05年3月期）は、自社ERPパッケージの販売などが好調で、増収増益を達成できる見通しが立っている。

　そして来年度は、ITサービス、システムインテグレーションビジネスがどうなるかといった市場環境は気にせずに、日本事務器の強さの追求、クオリティを上げることに集中していく。そうすれば、たとえ市場環境が悪くてもビジネスを拡大することは可能だ。社員もそれぞれの立場で、自らのクオリティを上げる努力をしてもらいたい。