IT Stock Frontline

ゲーム機が好スタート 復活なるかソニー

2005/01/03 16:04

週刊BCN 2005年01月03日vol.1070掲載

欧米の株価は上昇傾向

 2005年の東京市場は欧米など海外株式の上昇を受けて順調なスタートを切りそうだ。

 米国に加え英国、ドイツなどの株価指数が04年末にかけて過去1年間の高値に上昇しているが、その要因としては、①世界景気の悪化につながると懸念された原油価格高騰が一服、②米大統領選でのブッシュ再選を米国株式市場が歓迎、③ハイテク景気失速の懸念が後退──などが挙げられる。

 原油先物など商品相場に向かっていた投機資金が株式に回帰し始めたことが欧米株価上昇につながっている。海外投資家の売買が市場全体の約半分を占める東京市場は当然プラスの影響を受ける。

 一方で、国内独自の要因としては景気停滞懸念がある。停滞が一時的なものか景気下降につながるかの見極めにはまだ時間がかかるため、2-3月までは株価がもたつく場面がありそうだ。

 ハイテク株では、04年にいいところがなかったソニーの人気が回復するかが注目される。ヒット商品不在、デジタル家電分野への出遅れ、手間取るリストラなどから収益力の回復が鈍いことを株価は嫌気した。

 しかし、世界最大のAV(音響・映像)機器メーカーであるソニーには05年の復活を期待する声が高まっている。デジタル家電は国内では価格競争が一段と進行する一方で、海外ではこれから普及期に入る。国際的なブランド力、販売網をもつソニーにとってはここからが活躍場面になる。

 12月12日には新型の携帯ゲーム機「PSP(プレイステーション・ポータブル)」を発売。全国各地で即日完売の好スタートを切り、新たな評価機運を呼び込んだ。

 業績の利益面だけを見ると、ゲーム・映画会社になってしまったソニーだが、エレクトロニクス部門の勢いが蘇れば、株価も大きく回復することになりそうだ。(有賀勝久)
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