IT Stock Frontline

活況を呈したIPO ネット関連も話題を提供

2004/12/20 16:04

週刊BCN 2004年12月20日vol.1069掲載

年間で175社が上場

 2004年の東京市場を振り返ってみよう。マーケット全体の株価水準を示す日経平均は年初に1万600円でスタート。デフレ脱却、景気回復への期待から4月には1万2000円台まで上昇したものの、秋以降は足踏み状態となった。原油高などを背景とした世界的な景気後退懸念に加え、年末には円高進行が株価の足を引っ張った。米国市場の好調が支えだが、05年も景況感を探りながらのスタートになりそうだ。

 後半には勢いがなくなったとはいえ、ベンチャー企業が上場している新興市場の活況がまず今年の話題だろう。今年のIPO(株式新規公開)は年間で175社(昨年は121社)と過去4番目の高水準。成長力のある企業の相次ぐ登場がマーケットを活気づかせた。個人投資家は成熟した大企業よりも成長期待のある新興企業を選好する姿勢が一段と強くなり、昨年9月から1年間にわたってIPO企業の初値が公募価格を上回るという記録が生まれた。代表的な新興市場であるジャスダック市場の株価指数は年初から20%上昇した水準にある。

 インターネット関連の人気も目立った。プロ野球への新規参入で話題を提供した楽天、ライブドアは株価面では明暗が分かれた。明は楽天。早くもプロ野球効果が出る形で業績は絶好調。仮想商店街「楽天市場」の販売の伸びが加速している。株価は年初の水準から約2倍に上昇した。逆にライブドアの株価は低迷。大幅な株式分割を繰り返して株式市場でも話題先行の企業としてのイメージが強く、成長力については評価しづらいとの見方が多いようだ。

 ネット関連の大御所ソフトバンクが日経平均の構成銘柄に採用されたことはネット関連ビジネスの認知度がより高まったためと理解できよう。(有賀勝久)
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