大遊泳時代
<大遊泳時代>第47回 新聞休刊日も良いが、テレビ休放日とネット休信日は?
2004/12/06 16:18
週刊BCN 2004年12月06日vol.1067掲載
松下電器産業 役員 前川洋一郎
明日は「新聞休刊日だから、少し遅くまで寝よう」──。事件があっても、ラジオかネットで分かるだろう。何かあればケータイに連絡があるだろう──。情報洪水の中で実に良いことと思う。会社に出ても切り抜きをすることはないし、我が社のことや、ライバル社のことを忘れられる。その昔、年3回くらいの新聞休刊日が、新聞配達少年の週休制確保のために、日曜夕刊が廃止となり、今はほぼ年間12回の休刊日がある。
何故か休むとなると、どの新聞も一斉に休むのが不思議だが、系列配達と混売配達の流通問題のせいか、また、横並び農耕民族の性のせいかもしれない。
ところで、どうしてテレビやラジオには休放日というのはないのかな?一斉に1日放送を止めるとどうなるのか、緊急事態は電話、FAX、ネット、地域CATVの情報網があるし、いざとなれば再開もよい。
もし、テレビ、ラジオが1日ない日があると、人間1日24時間の使い方が変わるかもしれない。
しかし、いくら新聞やテレビが休んでも、ネットがあるし、忙しさに変わりないかも。普段よりも余計にアクセスが殺到しトラフィックが混乱しないかな。
そして、ITの普及と国民各層でのスキルに差がある時は、いわゆるデジタルデバイドで不公平となりはしないか。
ではネットも一斉休信日というか、お休みの日を作ってはどうかな。いやその前に、サーバー、ネットワーク、パソコンの故障で嫌でもお休みの日もあるから、まだ焦ってネット休みは必要ないし、ネットは「プル」の世界だからこそ、一斉の休みなどと言っても、勝手に流すヤカラが出てくるところが面白いのですよ。
ねえ、ワトソン君!「ニュースがないと我々も寂しくて街に出て行ったり、もっとじっくり本でも読むかな?」。「いやいや、山の熊が餌がなくて人里へ出てくるのと同じで迷惑ですよ」。
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