IT Stock Frontline

任天堂が高値更新、新型ゲーム機に期待

2004/10/11 16:04

週刊BCN 2004年10月11日vol.1059掲載

ソフトバンク、5000円台回復

 1年9か月ぶりという不名誉な記録(9月末に日経平均9日連続安)を作ってしまった東京市場。原油相場が1バレル=50ドル乗せという異常事態で世界景気への悪影響が懸念されたうえ、9月決算期末を控えた機関投資家の売りが継続したことが株価下落の背景。

 しかし、波乱の続いた米国市場が立ち直ったように、原油相場の高騰は限界との見方も。日銀短観が景気の強さを示し、株価反転の動きが出てきた。

 そうしたなか、任天堂が今年の高値を更新。新型携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を12月2日に発売するが、北米では11月21日に先行発売の予定。ソニーの携帯ゲーム機に比べ、1万5000円と安価でソフトのラインアップも充実したものとなる。すでに米ウォルマートでは「ニンテンドーDS」の受注を開始している。ソニーの新型ゲーム機に発売時期が遅れる懸念が生じているだけに、年末商戦での一人勝ちの期待が高まっている。

 新機種はタッチパネルを用いた操作という、ファミコン以来のプレイスタイルを一新するものとなっている。また、「ゲームボーイアドバンス」を9800円に値下げしており、新機種とのすみ分けが可能になっている点も注目される。

 ソフトバンクは約1か月ぶりに株価5000円台を回復。10月1日からの日経平均構成銘柄への採用に絡む買いが流入するとともに、米国市場でのネット関連株の人気も刺激。グーグルは8月中旬の新規上場から40日が経過したことで大手証券が新たに投資判断を下し始め、今後12か月の目標株価を145ドル(9月末130ドル)に設定した証券会社もある。これを受けて米国ヤフー、イーベイなどネット関連株が軒並み高になった。

 また、今年の安値を更新していたNECや松下電器産業、パイオニアの株価も反転してきた。(有賀勝久)
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