IT Stock Frontline

米ヤフー、株価上昇 アマゾンやイーベイも好調

2004/09/27 16:04

週刊BCN 2004年09月27日vol.1057掲載

日米のネット関連株に明暗

 米国市場でインターネット関連株が人気化した。きっかけは米ヤフー。14日に音楽配信サービスのミュージックマッチを約1億6000万ドルで買収すると発表し、株価は33ドル台と8月末の28ドル台から大きく上昇した。

 ヤフーのストリーミング配信サービス「ローンチ」は、ビデオクリップや楽曲を受信しながらリアルタイムで再生できるものの、パソコンにCDの楽曲を取り込むソフトが欠けていた。そこで、ミュージックマッチのパソコン向けデジタル音楽管理ソフト「ジュークボックス」を組み合わせることで、ヤフーの音楽サービス利用者は今の1290万人を推定2300万人に拡大できるという。

 米ヤフーのほか、アマゾン・ドットコム、イーベイといったネット小売り株も上昇した。ネット小売りはこれからクリスマスにかけて書き入れ時となるが、もう1つ手掛かりがある。事務用品小売りチェーンのオフィスデポは14日に業績悪化の可能性を明らかにしたが、その理由はハリケーン「アイバン」の被害を懸念してのもの。裏返せばネット小売りにチャンスが訪れることになる。また、グーグルは新規上場直後につけた高値113ドル台を上抜く勢いになっている。

 一方、日本のネット関連株はさえない。ソフトバンクは10営業日連続していた東証1部の売買代金トップが13日に途切れるとともに株価も下落した。12月から始める固定電話サービスの料金を、KDDIに対抗して当初予定から引き下げる方針が明らかになった。値下げ競争が収益悪化につながるとの懸念が広がった。

 そして、プロ野球球団の経営に名乗りを上げた楽天。発表後に株価が下落したのは4万株の公募増資による需給悪化を嫌気してのもの。球団経営について株式市場は消化難として株価を動かす材料にはなっていない。(有賀勝久)
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