視点
日本流ユビキタス
2004/09/13 16:41
週刊BCN 2004年09月13日vol.1055掲載
しかし、ユビキタス時代を迎えた今、この方向性は間違っていなかったと実感している。あらゆるものがネットワークでつながり始めるなかで、部品なら部品、家電なら家電だけを見ていては、次世代の製品を作り出せない時代になってきたからだ。部品なのかセットなのか、通信なのか放送なのか。そんな時代にCEATECの価値は大きく高まっている。また、従来の展示会といえば専門家が対象だったが、今はパソコンもデジタル家電もネットも、深く家庭に入り込むようになった。この結果、来場者にとって展示会は仕事のためだけに見るものではなく、生活の視点からも見るようになった。来場者が“プロシューマ”の性格を持ち始めたわけで、こうした流れからもCEATECの存在感は高まっている。
昨年までNTTグループといえば、出展はNTTドコモのみだったが、今年はNTT持株会社がグループとして出展することになった。そんな動きも最近のCEATECを象徴している。CEATECを見れば、その後1年間のユビキタス事情が判る。主催者側の1人として、そんな思いを込めながら、03-05年の3か年を“日本流ユビキタス”にドライブをかける節目にしていきたいと考えている。今年10月には、地上デジタル放送のエリアも拡大し、電波の有効活用に向けた議論も政府委員会の場で活発に行われている。また、自治体においても、すでにモバイル系サイトをもつ自治体は、関東地区の場合で約800自治体のうち4割に達しており、ワイヤレスに対する関心は非常に高まっている。ともかく、日本流ユビキタスのビジョンとはどのようなイメージか。その具体像を展示するのがCEATECだと自負している。
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