China 2004→2008
<China 2004→2008>18.欧米勢の草刈り場となる中国
2004/09/13 16:18
週刊BCN 2004年09月13日vol.1055掲載
IDCが発表したベンダーランキングのトップ3は、マイクロソフト、IBM、オラクルの米国勢である。国産ベンダーはトップ10に3社しか入っていない。その3社とは、業務アプリケーション大手の中軟集団(CS&S)、用友軟件(UFSoft)、金蝶国際軟件集団(Kingdee)である。つまり、業務アプリケーション分野でこそ国内勢は健闘を見せているが、情報システムの基礎となるOS(マイクロソフト)、ミドルウエア(IBM)、データベース(オラクル)は、米国勢に押さえられている。日本のソフト産業と同じ状況なのだ。商慣習の地域性が壁となって、海外製品の浸透を許さなかった業務アプリケーション分野でも、今後は日本と同様に海外製品が優位になるかもしれない。
例えば、中国の製鉄大手、首鋼集団は現在、独SAPのERPパッケージ「R/3」を採用し、基幹システムの再構築中だ。投資額は22億円と、中国企業としては大規模なプロジェクトである。中国でも国際競争にさらされている一部大企業は今後、業務の抜本改革を狙ってR/3のような“国際標準”製品を選択する可能性は高いだろう。日本の大企業が“R/3一辺倒”になったように。それだけ投資余力のある企業が増えている面もある。折しも来年、IT製品については、WTO(世界貿易機関)条項が全面的に適用され、関税障壁を撤廃しなければならない。海外製品がより強くなる。成長を続ける中国のパッケージソフト市場は、このまま欧米製の草刈り場となっていくのか。
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