“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>68.NS・コンピュータサービス

2004/09/06 20:43

週刊BCN 2004年09月06日vol.1054掲載

 自動車部品製造の日本精機グループの情報システム子会社、NS・コンピュータサービス(高野繁理社長)は、日本ピープルソフトのERP(統合基幹業務システム)の国内展開を本格化させる。米ピープルソフトは昨年7月、ERPベンダーのジェイ・ディ・エドワーズ(J.D.エドワーズ)を買収し、両社製品の統合作業を進めてきた。これを受けて、今年7月、日本ピープルソフトは「国内の統合作業が完全に整った」と発表し、再スタートを切った。

新生ピープルソフト製品での展開本格化

 NS・コンピュータサービスは、これまでグループ企業向けに旧J.D.エドワーズのERPを納入してきた実績があることから「新生ピープルソフトの製品でも、旧J.D.エドワーズ同様の国内展開が可能」(岡本尚武取締役)と、新生ピープルソフトの主力ERP製品の本格的な展開に乗り出す。

 同社は、親会社の日本精機の北米工場に旧J.D.エドワーズの生産管理システムを1999年に納入したのを手始めに、02年には旧J.D.エドワーズの販売管理システムを香港のグループ営業拠点へ納入。来年3月には新生ピープルソフトの販売管理システムを米ミシガン州デトロイト市のグループ営業拠点で稼働させる予定。こうした実績をベースに、国内の自動車部品メーカーや電機メーカーなどの製造業をターゲットに新生ピープルソフト製品の展開に力を入れる。

 岡本取締役は、「旧ピープルソフトは人事給与やCRM(顧客情報管理)システムが強く、旧J.D.エドワーズは製造や会計に定評があった。両社が統合した現在でも、それぞれの製品の強みは生かされている」と、これまで蓄積してきたノウハウは統合後の製品でも受け継がれていると話す。これに、同社の強みである業務ノウハウが加わることで展開に弾みがつくと予測する。

 また、9月1日付で総床面積約2000 平方メートルのデータセンターを本社のある新潟県長岡市で稼働させた。アウトソーシングを中心とした受注を見込む。新生ピープルソフト製品を主軸としたERP事業の拡大や、新設データセンターを活用したアウトソーシング事業などで、06年度(07年3月期)には約70億円の売上高を目指す。昨年度(04年3月期)の売上高は約50億円。グループ外に向けた外販比率は約6割を占めていたが、今後は外販比率を相対的に増やし、06年度には同比率を7割に高める。(安藤章司)
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