拓け、中堅・中小企業市場 事例に見るSMB戦略
<拓け、中堅・中小企業市場 事例に見るSMB戦略>第21回 造り酒屋の宮﨑本店編(1)
2004/09/06 16:18
週刊BCN 2004年09月06日vol.1054掲載
「革新」の社風がIT戦略にも波及

95年にはウィンドウズ95が登場し、宮﨑社長や社員の考え方が一変する。「今まで、営業担当者がFAXで受発注伝票を送っていたが、これをメールで代替したら…」。社内の声を受け宮﨑社長の“鶴の一声”で、96年から、楠町本社と東京支店に1台ずつパソコンを置き、電子メールを使った伝票処理を試験的に開始した。その後、パソコンを通じた伝票のやり取りとオフコンが並存する状態がしばらく続いたが、3年前にオフコンの再リプレース時期を迎える。ちょうどインターネットの利用が当たり前になってきた時期。すでにパソコンでのやり取りを経験していた宮﨑本店は、オフラインであるオフコンのさらなるリプレースに疑問をもつ。そんな折、複数のITベンダーから、ダイレクトメールが届いた。
いずれも「酒税法に対応した業務パッケージがある」という案内。宮﨑本店は早速、訪販系ベンダー、パッケージベンダー、システムインテグレータの3社から、システム再構築の提案書を取り寄せた。最終的には、システム価格の最も高い提案を除き、残りの2社の提案をコンペにかけた。採用されたのは、同じく酒造りが盛んな土地から生まれ、造り酒屋に特化したソフトを持つシステムインテグレータの提案だった。(谷畑良胤)
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