拓け、中堅・中小企業市場 事例に見るSMB戦略
<拓け、中堅・中小企業市場 事例に見るSMB戦略>第20回 リフォーム・インテリア販売のタキズミ編(3)
2004/08/30 16:18
週刊BCN 2004年08月30日vol.1053掲載
タキズミ(瀧住寿彦社長)が今年4月にインテリア事業部へ導入したピーシーエー(PCA)のERP(統合基幹業務システム)「ドリーム21」ベースのシステム。このシステムインテグレーションを手がけたのは、かつては日立プラント建設の情報システム部門で、1980年に分離・独立した日立プラントシステムエンジニアリング。日立プラント建設グループ各社の情報システムをエス・エス・ジェイ(SSJ)のERP「スーパーストリーム」をベースに受託開発していた経験を数多くもつ。
心強い味方をつけたPCA
タキズミのシステム構築では、会計や顧客管理などドリーム21の機能に加え、タキズミの特殊業務に合った機能のアドオン開発やネットワークの構築を行ったが、「スーパーストリームでの経験が役立った」(日立プラントシステムの相原和夫・システムソリューション事業本部営業部課長補佐)と振り返る。タキズミの案件を受注したPCA側も、そうした日立プラントシステムの実績を重視した。PCAと日立プラントシステムの2社が協力すれば、タキズミのワークフローに合った最適なシステム提案ができると判断した。この2社がタキズミに何度も足を運び、練り上げたシステムだったため、受注に結びつけることができた。日立プラントシステムは、ドリーム21がリリースされる前段階からPCAに協力し、ERPの開発面でPCAにアドバイスしていた。
スーパーストリームの弱点を知るだけに、「ドリーム21は、従来のERPパッケージと違い、中堅企業に適したアドオンがしやすいERPだ」(日立プラントシステムの高橋光・システムソリューション事業本部情報システム事業部汎用システム部主任技師)との評価は参考になりそうだ。日立プラントシステムは、この2年間でPCAを通じて10社弱にドリーム21を企業に納入するなど、「短期間で構築でき、手離れの良い」(相原課長補佐)中堅企業向け外販ビジネスの拡大を進めている。メインフレームのマイグレーションを主に進めてきただけに、業務ソフトベンダーが重要視する「レガシー(旧式)マイグレーション」案件の獲得で、味方に付けておきたいベンダーの1社だ。
4月の導入以降、短期間で「使い勝手が良い」というタキズミ社内の声もあり、今年8月にはリフォーム事業部の新システム受注にも成功している。PCAはタキズミの案件でコンペとなった業務ソフトベンダー大手A社に比べ、日立プラントシステムのようなシステムインテグレータのパートナーが少ない。このことが影響して、ERP自体の性能差はないものの、業績で差を広げられているのが実情だ。だが、日立プラントシステムは、「ドリーム21にアドオンできる業種別のテンプレート(ひな型)化したアプリケーション開発も検討している」(高橋主任技師)と、タキズミ案件などを契機にドリーム21の拡販に心強い味方をつけたといえる。(谷畑良胤)
タキズミ(瀧住寿彦社長)が今年4月にインテリア事業部へ導入したピーシーエー(PCA)のERP(統合基幹業務システム)「ドリーム21」ベースのシステム。このシステムインテグレーションを手がけたのは、かつては日立プラント建設の情報システム部門で、1980年に分離・独立した日立プラントシステムエンジニアリング。日立プラント建設グループ各社の情報システムをエス・エス・ジェイ(SSJ)のERP「スーパーストリーム」をベースに受託開発していた経験を数多くもつ。
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