IT Stock Frontline
ネット関連株が上昇 ソフトバンク、楽天が好調
2004/08/30 16:04
週刊BCN 2004年08月30日vol.1053掲載
米グーグル人気が後押し
米国株式の復調を背景に、東京市場も元気を取り戻してきた。全体を引っ張る形で上昇が目立つのがインターネット関連株。先陣を切ったのが個人投資家に絶大な人気を誇るソフトバンク。4-6月期決算は連結ベースの最終赤字が178億円と前年同期に比べて半減した。ヤフーBBの会員数拡大でブロードバンド事業の売上高が2倍近くに膨らんだほか、株式市場の活況で証券部門(イートレード証券など)も好調だった。この決算を受けて業績の下振れ懸念が消えたこと、さらにベルシステム24にコールセンター業務を売却したことによる効率化期待が株価にプラスに働いた。また、毎年候補に上がりながら実現していないが、日経平均株価への採用期待(10月入れ替え)も出ている。
楽天は活発な買収戦略による業容拡大が決算で確認された。19日発表の2004年6月中間決算は営業利益が71億円と前年同期の約4倍に膨らんだ。昨年買収した宿泊予約サイト「旅の窓口」や楽天証券(旧・DLJディレクトSFG証券)の好調が収益拡大に直結した。
決算発表の席で三木谷社長が個人向けローン事業への参入を明らかにするなど業容の積極拡大路線に変化がないことも株価を刺激する格好になった。
ヤフーも7月初め以来の株価100万円回復となった。浮動株の比率が極端に低いことからTOPIX(東証株価指数)算出の浮動株基準導入をにらんで警戒ムードが広がっていたが、それに絡む売り一巡とともに好業績を改めて評価する動きになった。
こうしたネット関連株人気を後押ししたのは米国におけるグーグルの人気。今年最大のIPO(株式新規公開)としてNASDAQ市場に上場、公募価格85ドルに対して初値は100ドル1セントと順調なスタートとなった。(有賀勝久)
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