拓け、中堅・中小企業市場 事例に見るSMB戦略
<拓け、中堅・中小企業市場 事例に見るSMB戦略>第18回 リフォーム・インテリア販売のタキズミ編(1)
2004/08/16 16:18
週刊BCN 2004年08月09日vol.1051掲載
業務ソフトベンダー2社が激突
使い始めて数年で、カスタマイズソフトに合ったワークフローを自前で確立した。住宅需要が高まり業務も拡大してきたため、再度、そのIT業者に再カスタマイズを要求するが、返ってきたのは「もうできません」というつれない言葉。ウィンドウズNTサーバー4.0をインストールして使用していたサーバーの安定性も悪く、アクセス97のサポート切れが迫った昨年初め、ハードウェアを含めシステムすべての見直しを決意した。たまたま業務ソフトベンダー最大手A社の営業担当者が、このタイミングにタキズミを飛び込み営業で訪れた。この訪問と前後して、タキズミのプリンタやパソコンなどを納品していたアポロオフィスシステムが、パートナー関係にあるA社の競合であるピーシーエー(PCA)を勧めている。結局、この2社にERP(統合基幹業務システム)の提案書と見積書を依頼し、コンペを実施した。タキズミには元々、経理部でPCAの販売管理ソフト「PCA商魂」と、仕入・在庫管理ソフト「PCA商管」などが稼動していた。しかし、インテリア事業部が使用していたアクセス97のカスタマイズソフトとのデータ連動ができず、経理担当者はアクセス97のデータをPCAのソフトへ手作業で入力しなければならなかった。
2社の受注競争は、経理部のシステムを知るPCAに有利かと思われたが、必ずしもそうではなかったようだ。「見積り金額はA社の方がわずかに安く、システム提案も優劣がつけにくかった」(大坪マネージャー)という。しかし、最終的には値段が高かったPCAのERP「Dream21」を中心としたシステム提案を受け入れる。タキズミは年商約30億円、従業員約90人。競合した2社にとって、中堅ビジネスとして手ごろな規模。優劣のつかない両提案の勝敗を分けたのは、「結局、人かな?」とはタキズミでシステム担当を兼務する業務課の今道啓之氏。「当社のワークフローを基に、丁寧に提案を練り上げてくれた」と、PCAの熱意に屈したようだ。そのシステムとはどのようなものなのか、次回で詳しく述べる。(谷畑良胤)
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