大遊泳時代

<大遊泳時代>第30回 AV─IT化で参加しやすい株総

2004/08/02 16:18

週刊BCN 2004年08月02日vol.1050掲載

松下電器産業 役員 前川洋一郎

 老舗新興、大中小を問わず、株主総会はIRの最大行事であり神聖なものである。なめてかかると、咎めは大きい。最近、どの企業もわかりやすい参加しやすい株総への改革が進んでいる。若い頃は、株総など見向きもしなかったが、年をとると年金不安もあって株総が気になってくる。そこで最近、感じることだが…。第1に「議決」は、何よりも本会場出席での賛否に越したことはないが、最近はインターネットによる議決権行使が増えてきた。私もトライしてみたが、いとも簡単であっけない。体感がないので寂しい位である。どこの会社もネット行使比率は増えてきたとのこと。

 第2に「出席」は、本会場に出られない場合、インターネット中継があるかと思ったが意外と少ない。やはりIP品質は元来100%保証でないし、同時刻にトラフィックが集中してダウンすることも多いらしい。そこで、衛星や光専用回線を使って、本会場から他都市の特定会場へ同時実況がある。ハイビジョンで大画面、ゆったりした座席。もちろん質問不可で商法上での出席ではないが、お土産が一緒となれば足の不便な者には申し分ない。第3に「参加」ということでは昔、総会屋と社内株主、今、OBとNPOが多いと聞くが、やはり平日の昼間、若者・女性には少し無理があるかも。休日にしたら色合も変わるだろう。

 第4に「海外」ということでは、外国人株主が増えても、案内、運営進行は日本語だけ。聞くと日本の商法に則っているからこれでよいとのこと。海外在住の株主には大口議決権を集めてまわる専門業者がいるらしいが、一般株主はとても無理。そのためにHP(ホームページ)上で結果内容を同日中に公開している会社もある。ワトソン君よ!!「所詮、株総はなんだかんだ言っても好業績でないといやだね」。「もちろん、業績悪けりゃ経営者にとって針のムシロ、株主にとって針の山ですよ」。
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