大遊泳時代

<大遊泳時代>第27回 浜の真砂とセキュリティのタネはつきない

2004/07/12 16:18

週刊BCN 2004年07月12日vol.1047掲載

松下電器産業 役員

 昔から、子供が大きくなると七五三の着物、出来が悪くなると学習塾のお誘い、そして親が高齢化すると「墓石」、「老人マンション」の売り込み──いい加減、ほっといてくれと言いたいぐらい。最近は様相が違う。私の親戚に「有料番組未納の督促状」が届き、到着日が23日で〆切りが24日、連絡なき場合はご近所への調査も厭わず──それでいて連絡先は携帯ナンバーで担当名なし。

 そして、ケーブル会社でも最近、社名を装っての有料番組の請求があり困っているとのこと。さらに友人の遠い田舎の老母から「変なハガキがきた」と大騒ぎ。「見てもいない東京での有料チャンネル云々」とのこと。

 各県警や各市の消費生活センターのサイトで説明しているし、警察・弁護士に相談されるのがよい。

○まずは落着いて一切応対しないこと。

○債権譲渡が本当か、請求者が明確か、でなければ無視しても差し支えない。

 これらは、「個人情報流出」、「企業の情報セキュリティ」問題に結びついてくる。詐欺、盗聴、強盗、誘拐につながるといけない。性善説は通用しない。

 企業、団体、自治体も、ほとんどが内部犯罪なので、性悪説で社内のムードが悪く疑心暗鬼となる。会社の持ち出しパソコンは?会社貸与の携帯は?ある会社ではオフィスのセキュリティをいきなり厳重にして、お客様をシャットアウト、いちいち出迎え、見送りと大変とのこと。

 機密情報の流出にしても、流出させた所有者の罪であって、拾って活用した人は罪にならないとか ──これもおかしい話ではないか?

 「浜の真砂とドロボウのタネは尽きない」と言ったが電脳情報は犯罪の宝庫と言えよう。

 ねえワトソン君!!「先ほど、本社の情報セキュリティ本部の人が来たので、『あなたが情報セキュリティの社員であることを証明してほしい』と言っておいたよ」。

 「いやいや、いい年をしてイジメはよくないですよ!!」。
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