変革セキュリティビジネス
<変革セキュリティビジネス>26.SEA/J
2004/07/05 16:18
週刊BCN 2004年07月05日vol.1046掲載
総合的な技術者育成
セキュリティ関連資格というと、ベンダー各社が自社製品に関する知識やスキルを教育・認定するものが大半。だが、それだけでは特定製品に詳しくなるだけで、「全体を見越したセキュリティ対策を施す技術者が育たないケースが多い」(持田啓司事務局長)。SEA/Jの教育・認定制度「SEA/J情報セキュリティ技術認定」は、「ITスキル標準」に対応した制度で、設立企業各社が共同で教材や講義プログラムを作成。これにより、セキュリティのジャンルやベンダーに依存しない総合的なセキュリティ技術者の育成が行える。「ベンダーが共同で中立的な立場から作った教育・認定制度は、日本にはSEA/J以外にない」と持田事務局長は自信を見せる。
昨年3月に基礎的な知識・スキルを中心とした入門プログラムとして「基礎コース」をスタート。今年2月にはシステム管理者向けの「応用コース マネジメント編」、さらに5月にネットワーク管理者向けの「応用コース テクニカル編」を始めている。
受講者は講習を受けた後、資格試験を受け合格すれば認定資格が取得できる。受験者数は1034人、合格者数は608人(04年5月末時点)まで増え、受験者数は最近では毎月100人以上のペースで増加しつつある。
実際の講義や資格試験は、SEA/Jが認めた企業が認定校として行っており、現在は大塚商会やソフトバンクBBなど14社まで拡大。認定講師数も59人まで増えている。認定校になるためには年間30万円を支払わなければならないが、「総合的な唯一のセキュリティ教育プログラムを各ベンダーのセキュリティビジネスのメニューに加えることで、各社のサービスの質も上がる」(持田事務局長)とメリットを話しており、認定校の拡充を急いでいる。セキュリティ技術者認定制度のデファクト・スタンダードに押し上げる意気込みだ。(木村剛士)
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