IT Stock Frontline

液晶・半導体関連上昇に

2004/07/05 16:04

週刊BCN 2004年07月05日vol.1046掲載

デジタル家電がプラス要因

サムスン・ショックを払拭

 下落の続いていた液晶・半導体関連のハイテク株が上昇に転じてきた。液晶関連の中心銘柄であるシャープの場合、4月末の高値2100円から6月中旬の安値1629円まで30%超も下落していたが、6月末には1700円台まで戻している。同じように4月末高値から20%超の下落となっていたNECも反転した。

 利上げ観測や企業収益悪化懸念で軟調だった米国株式の復調に加え、デジタル家電の販売好調がプラスに働いたようだ。JEITA(電子情報技術産業協会)が発表した5月のデジタル家電国内出荷によると、PDP(プラズマディスプレイパネル)テレビが78%増、液晶カラーテレビ(10型以上)が66%増、HDD内蔵DVDレコーダーが2.5倍増。

 ボーナス商戦、オリンピックに向けて6-7月も同様に高水準の伸びが続くとの期待が高まった。さらに、7月に入れば米国ハイテク企業の4-6月期業績のアナウンスメントが始まるが、これまで悲観的な見方が多かっただけに良好な数字が出れば株価を押し上げるとの見方が多い。

 ただ、ハイテク株の上昇トレンドがこの先も続くかとなると首をかしげる向きもある。液晶、半導体メモリともに先行きの市況が不透明だからだ。半導体メモリDRAMの出荷価格は例年、パソコンなどの年末商戦向け部品調達が始まる6月頃から上昇に転じるが、今年は下落傾向が続いている。先行きの需要減少を暗示している可能性がある。

 液晶については韓国サムスン電子、シャープが今年に入り超大型の増産投資を行ったことが話題になったが、オリンピック後の需給悪化懸念が広がっている。そもそも4月以降のハイテク株の下げは“サムスン・ショック”とも表現される。サムスン電子が液晶市況の弱気の見方を明らかにしたことをきっかけに日本、台湾を中心にハイテク株が急落に見舞われた。(有賀勝久)
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