“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦
<“一技の長”を探る>59.アグレックス
2004/06/28 20:43
週刊BCN 2004年06月28日vol.1045掲載
ERPとBPOの組み合わせで差別化
ERPパッケージの普及が急速に進むなか、ERPそのものの目新しさが薄れてきた。ERPだけでは差別化できない。このためERPパッケージを納入するタイミングで、コスト削減に向けた業務プロセス改革を具体化するBPOを提案し、ERPとBPOを密接に連携させたシステム構築に力を入れる。真田健実・常務取締役SDS事業部長は、「単にERPパッケージを入れて四半期決算をやりませんか、という問いかけだけでは提案として弱い」と、ERPより一歩踏み込んだ業務改革の提案が不可欠だと指摘する。財務会計や人事給与などをアウトソーシングしたいという要望は強くなっており、ERPとBPOを顧客の実情に照らし合わせて効率よく組み合わせた提案に力を入れる。
これまで、主な販売ターゲットはSAPやオラクルなど外資系ERPベンダーの製品を導入する大企業が多かった。だが、大手企業のERP導入は一段落したことから、今年4月、新しくエス・エス・ジェイの統合業務パッケージ「スーパーストリーム」の取り扱いを始め、これまでの顧客のグループ会社など中堅企業向けのERP販売を本格化した。
同社は、BPOでは業界トップクラスの実績を持つが、ERPなどソリューション型のシステムインテグレーションを本格化したのは5年ほど前から。このため、財務会計や人事給与などのバックオフィス系のソリューションは大幅に拡充してきたものの、CRM(顧客情報管理)やSCM(サプライチェーンマネジメント)などの分野は、今後さらに拡充していく必要がある。
「まずは、財務会計など顧客企業の中枢となるバックオフィスシステムを受注し、そこからCRMやSCMなどの商談へと幅を広げる」(真田常務)と、順次ソリューション内容の拡充を進めていく方針。CRMやSCMの提案では、ERPと同様、同社の得意とするBPOとの密接な連携を訴求することで、パッケージ導入による業務改善だけでなく、BPOまで踏み込んだ抜本的なコスト削減提案に力を入れ、ソリューション事業の拡大に努める。(安藤章司)
- 1