IT Stock Frontline

IPO人気、成長力に期待

2004/06/14 16:04

週刊BCN 2004年06月14日vol.1043掲載

公募価格の2倍上回る

MCJ、フレームワークス

 株式市場全体は5月後半からやや勢いがなくなっているが、IPO(株式新規公開)は相変わらず好調。終了した2004年3月期の決算発表では、中堅企業、新興企業についても景況感回復を受けて収益が拡大していることが確認された。

 また、次代の産業界を担う成長力を持った企業が続々と株式市場に登場していることもIPO人気の背景。6月1日に東証マザーズに上場したパソコンメーカーのMCJの初値は公募価格90万円の2倍の180万円という人気に。これで初値が公募価格を上回ったのは昨年9月以来、100社連続となった。

 求人情報サイト運営のディップは5月27日に東証マザーズに上場。初値は200万円と公募価格の2倍。メインのサイトは人材派遣専用「はたらこねっと」、アルバイト専用「バイトルドットコム」、人材派遣企業と求人企業の間で登録者のマッチングを行う「人事ねっと」の3つ。昨年12月に契約先のヤフーがリクルートと独占契約を結び、ディップとの契約を解除したため、上場を急きょ延期。しかし、自社のブランド力構築を進め、ヤフーとの契約解除の影響はなく昨年12月以降もそれ以前を上回るペースで登録人数は増加しているという。05年2月期の売上高は30億円強と68%増、経常利益は10億円と3倍に膨らむ見通し。初値は200万円とこちらも公募価格の2倍だった。

 6月1日上場のMCJは注文生産方式のパソコンメーカー。見込み生産と比較して在庫ロスが生じないことが最大のメリット。部品調達も世界最大手メーカーと販売代理店契約を結ぶことで安価でスピーディに行える。販売チャネルは4つ。家電量販店向けが売上高全体の4割、インターネット・電話通販が3割、全国4店舗の直営販売店舗、法人向け販売がそれぞれ1割強。

 6月4日に東証マザーズに上場したフレームワークス。WMS(物流センター管理システム)を中心としたSCMシステムの開発・販売、システムインテグレーションの提供を行う。初値は公募価格の2倍以上だった。(有賀勝久)
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