China 2004→2008

<China 2004→2008>4.パソコンの普及率は一部で50%も

2004/05/31 16:18

週刊BCN 2004年05月31日vol.1041掲載

 前号では中国のインターネット人口が8000万人を超えていると述べたが、それに伴って当然、パソコンの普及もすさまじい。中国のパソコン出荷台数は2003年で1300-1400万台程度と見られ、04年も2ケタ成長が見込まれる。5000万台の需要を持つ世界第1位の米国市場との開きはあるが、日本を抜き世界第2位の地位を確かなものにしている。実際、中国の都市部で中高生がいる家庭に訪れると、子供部屋にパソコンが置いてあるケースは珍しくない。中国では子供への教育熱が高い。パソコンにまったく触れたことのない親でも、子供には買い与えているのだ。(坂口正憲(ジャーナリスト))

 中国全土で見れば、パソコンの世帯普及率は10%にも達していないが、5万円前後の月収がある都市部の中流家庭に限れば、50%近いのではないかと思う。そして中国ではこの1、2年、ノートパソコンの成長が特に著しい。03年段階でノートパソコンの出荷台数は300万台前後。構成比は20%程度と見られるが、03年の伸び率は50%とする市場調査もあり、数年もすると日本のようにノートとデスクトップの比率が逆転する可能性もある。

 中国でノートパソコンは依然、非常に高価なモノであり、絶対価格は日本と何ら変わりない。標準的な製品でも1万元(日本円にして13万円ほど)以上する。これは、都市部の中流家庭でも数か月分の収入に相当することになる。それが勢い良く売れている。さすがに一般の家庭でノートパソコンを見るケースはないが、IT関連企業のビジネスマンなどが所有している姿を見かけることが多くなってきたし、ユーザーの裾野は確実に広がっている。

 先日、香港の大型ショッピングセンター内のパソコンショップに立ち寄ると、上海から観光に来たとおぼしき中年の女性が1万元もするシャープのノートパソコンを購入する場面に出くわした(香港では、日本から輸入した製品に中国語版ソフトを組み込んで販売しているショップが多い)。女性が立ち去った後に、側にいた店員に「大陸の人はお金を持っているね」と聞くと、「最近、大陸のお客さんがどんどん増えていて、いいお客さんになっている」という答えが返ってきた。とにかく中国(大陸)では現在、カネがうねっている。
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