“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦
<“一技の長”を探る>51.大塚商会(下)
2004/04/26 20:43
週刊BCN 2004年04月26日vol.1037掲載
スマイルieの機能拡張モジュール増やす
中堅・中小向けの情報系システムで充実した品揃えを誇る大塚商会だが、中堅以上の大企業向けの情報系システムは、1社で完結するのは難しい。そこで同社では「非ieアーキテクチャ製品」との連携を進める。「非ieアーキテクチャ製品」とは、BIやECなどの専業ソフトベンダーが開発しているシステムを指し、これら開発事業者と提携することで、スマイルieとの機能連携を図っている。大塚商会の向川博英・マーケティング本部業種部門業種大手担当部長は、「他社パッケージも含めて、スマイルieを補完するソリューションを拡充する。顧客のなかにはERP導入などの業務改革が進んだ企業も増えている。こうした先進的な企業の需要に応えられるような品揃えにする」と、スマイルieの機能を拡張するモジュール商材の拡充に意欲を示す。
スマイルieの関連事業の昨年度(03年12月期)の売上高は前年度比60%増になるなど急速に成長している。顧客数が増えるにともない、BIやECなど多様な情報化への要望に応えるための“他社パッケージとの連携”や、これまで納入した約80社の実績をベースとした業種対応の“テンプレート集の拡充”などを通じて、今年度(04年12月期)はさらに、同50%増の成長を見込んでいる。業種対応のテンプレートは、すでにアパレル業や食品業など5種類を揃えたが、今後も継続して増やす。
他社パッケージとの連動では、すでにソフトベンダーとの商談にも着手した。向川担当部長は、「定型業務中心の基幹系システムだけでは、顧客企業内の個人の才覚が生かされず売り上げは伸びない。一方、ナレッジベースの情報系システムだけでは、個人への属人性が増してシステムが破綻する。標準化とナレッジとのバランスをうまくとったソリューションに仕立てることで、顧客企業の成長に貢献する」と、顧客企業の収益力強化に役立つシステム作りに力を入れる。(安藤章司)
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