変革セキュリティビジネス
<変革セキュリティビジネス>17.富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ
2004/04/26 20:43
週刊BCN 2004年04月26日vol.1037掲載
“エンドポイント”にフォーカス
セキュリティソリューションは、個人情報漏えいや、システムダウンといった問題ごとに製品・サービスを区分。富士通グループのほか約35社から製品を調達し、自社開発ソフトも揃える。メイン顧客は、1000人以上の大企業、中堅企業やデータセンター運営企業などの大規模ユーザーだ。セキュリティビジネスの開始時から指揮を執る須永知之・第ニ事業本部ネットワークシステム事業部セキュリティソリューション部担当部長は、「“エンドポイント”のセキュリティ対策」を今後の需要が急拡大する1つの要素と読んでおり、製品・サービスのラインアップ強化に力を入れる。須永担当部長の指すエンドポイントとは、サーバーとクライアントパソコンのこと。特にパソコンに関しては、「パソコンの機能が急速に高度化し、重要な業務データや社内の機密情報を各自のパソコンに格納しているケースは多い」と、クライアントパソコンのセキュリティ対策の重要性を話す。
情報漏えいの流出経路では、メディアへのコピーやメール、パソコンの盗難など、各社員のパソコンから企業内の情報が流出する割合が高いといわれる。「オフィスだけでなく、家庭や出先など、パソコン1つあればどこでも仕事ができるようになった。パソコンに求められるセキュリティ機能も増えるし、台数が多いだけに管理者の負担も大きくなっていくのは当然」(須永担当部長)と言い切る。
同社では、クライアントパソコンのセキュリティ対策に特化した「PC/Safeシリーズ」を昨年10月に立ち上げている。ファイルの暗号化ソフトや、ハードディスクの中身を完全消去するソフトをはじめ、大企業をメイン顧客にしていることから、パソコンのOSやセキュリティパッチ適用状況をシステム管理者が容易に一元管理できるソフトも自社開発し、6製品を揃えている。また、個人認証ソフトも今年6月までには投入する計画で、ラインアップの拡充は続いている。セキュリティマネジメントや脆弱性検査・監査といった分野が注目を集めるなか、単価は低いものの“エンドポイント”のセキュリティを重視し、パソコンという最も汎用的な情報機器のセキュリティ対策・サービスを着実に揃えている。
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