IT Stock Frontline
東芝の評価高まる
2004/04/26 16:04
週刊BCN 2004年04月26日vol.1037掲載
05年度中に薄型テレビ発売
経営方針が後押し
円高への警戒感や連動性の高い米国株式の軟調から動きの鈍いハイテク株だが、なかでも東芝の株価上昇が目立つ。4月14日には532円と高値を更新。年初の安値411円から30%の上昇になっている。4月9日発表した2006年度に向けた経営方針が株価を後押ししている。その中で、キヤノンと共同開発している薄型テレビを05年度中に発売することを明らかにした。開発しているのはSED(表面電界ディスプレイ)と呼ばれるもので、液晶、PDP(プラズマディスプレイパネル)とは異なる省電力型の薄型テレビ。05年度にまず50型クラスを投入し、06年度から量産する計画。出遅れた薄型テレビでの挽回が期待される。
また、半導体部門の好調も確認された。今秋にはソニーなどと共同開発した次世代MPUを中心とするシステムLSIの工場が稼動。デジタル家電、携帯電話など市場拡大が期待できる分野向けに重点を置く。
今後3か年の設備投資は合計1兆円。このうち半分を半導体とディスプレイ事業に投入する方針。03年度に大幅赤字に転落したパソコン事業は、販売体制を見直し、海外生産拡大などで04年度は黒字化を見込んでいる。経営方針の数値目標は、06年度に売上高6兆2000億円、営業利益2800億円(03年度見込みは5兆6600億円、1430億円)。
東芝以外のハイテク株の株価は冴えない。例えばソニーは3月8日に4670円の今年の高値を付けたが、株式市場が活況のなかで3月末には4100円まで下落した。半導体関連は4月13日に発表された米インテルの4-6月期見通しが予想を下回ったこともマイナス要因になっている。 先行きハイテク株の人気が広がるかどうかは、04年3月期決算の内容が1つのカギとなろう。
大手ハイテク企業の多くは4月末に発表を予定しており、27日にソニー、東芝、パイオニア、シャープなど、28日に日立、三菱電機、NEC、松下電器産業などが発表する。(有賀勝久)
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