IT Stock Frontline

IT関連株に勢い

2004/04/19 16:04

週刊BCN 2004年04月19日vol.1036掲載

IT投資拡大に期待感

今年の高値更新続出

 4月に入り、オービック、大塚商会、富士通サポート&サービス(Fsas)、NTTデータ、ニイウスなどの株価が今年の高値を更新。株式市場全体の強調が続くなか、ITサービス関連株にも勢いが出てきた。景気回復が中堅・中小企業まで広がり、IT投資の拡大を期待するムードが広がっている。

 日興シティグループ証券は3月中旬にまとめたリポートで、「1990年代後半から00年にかけて行われたシステム投資の更新需要が04-05年度に期待でき、景況感の好転は更新需要を後押しする。本格回復は05年度」としている。同証券が推奨している銘柄の1つが二イウス。IBMのLinuxメインフレームなどIBMの大型機の新製品投入による製品競争力の強化に加え、地銀、医療系でのIT投資本格化が期待でき、04年6月期に続いて05年6月期も一段の収益拡大が読めるという。株価は2月の安値から約2倍に上昇した。

 電子自治体構想本格化のなかで注目されているのがアイネス。同社の株価も4月に入り今年の高値を更新した。市町村をターゲットにした自治体向けパッケージ製品「ウェブRings」などの自社パッケージに力を入れている。同製品はすべての業務でインターネットと同じウェブブラウザソフトで対応した変化に強いシステムで、行政内部のシステム化などに使われている。電子自治体構想の本格化にともない、「オープン化の流れ、コスト削減などから情報サービス企業を活用したアウトソーシングが増えると予想されることが環境面でアイネスには追い風」(大和総研)という。

 一方、4月5日には時価総額は5兆円台と東証の8位まで上昇したヤフーは短期間で急騰した反動もあって軟調な動き。8日には米国ヤフーが好決算を発表したにもかかわらず反応薄だった。そればかりか米国のアナリストが「ヤフー・ジャパンはPER(株価収益率)80倍以上で取引されており、世界で最も割高なインターネット株」と表現して話題になった。(有賀勝久)
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