IT Stock Frontline

景況感改善と割安さ

2004/04/12 16:04

週刊BCN 2004年04月12日vol.1035掲載

新興市場は活況展開

時価総額80倍の企業も

 地価の下げ止まり、商業販売統計の回復など、デフレ脱却を示すデータが相次いでいるが、4月1日に発表された日銀の企業短期経済観測調査(日銀短観)も景況感の改善を裏付けた。

 注目点の1つは個人消費の回復。非製造業(大企業)の業況判断指数(DI)がプラス5と、7年ぶりにプラス転換するなか小売りの業況判断はプラス3と前回調査(昨年12月)のマイナス9から大きく回復した。

 これは、デジタル家電人気を反映した家電販売店の売り上げ好調、株高による資産効果を追い風にした百貨店での高額商品の販売好調などが背景にあるとみられる。

 もう1つの注目点は、大企業に対して改善が遅れていた中小企業の景況感も上向いてきたこと。DIは製造業で7ポイント、非製造業で5ポイント上向いた。これが先行きの設備投資増加につながり、景況感をさらに改善するという好循環が期待される。

 新興市場が活況展開になっている要因は、「東証1部銘柄に比べて割安な銘柄が多い」ことに加え、こうした景況感の改善が背景。ジャスダック、東証マザーズ、大証ヘラクレスの3市場合計の売買代金は、4月1日に2600億円台と過去最高を記録。それぞれの市場を代表する銘柄に人気が集中している。

 時価総額の大きい主なIT関連企業は(時価総額は3月末。カッコ内は時価総額が昨年3月末から何倍になったかを示す)、ジャスダック市場で時価総額最大を誇る楽天。それにインデックス2346億円(5.6倍)、アスクル1270億円(2.0倍)、T・ZONE1050億円(80.8倍)、フォーサイド・ドット・コム995億円(19.9倍)が続く。

 東証マザーズではライブドア(旧エッジ)が3939億円(80.4倍)で最大。ACCESS2141億円(7.2倍)。サイバーエージェント1469億円(19.9倍)。マネックス証券1184億円(7.7倍)。

 大証ヘラクレスでは、有線ブロードの時価総額が1805億円(9.9倍)で最大。ITXが720億円(2.2倍)でそれに続いている。(有賀勝久)
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