“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>43.住商エレクトロニクス

2004/03/01 20:43

週刊BCN 2004年03月01日vol.1029掲載

 住商エレクトロニクス(阿部康行社長)は、中堅・中小企業向けの業務システムの品揃えを拡充する。これまで、業務システム分野では、グループ会社の住商情報システムが開発したERP(統合基幹業務システム)「プロアクティブ」を中心とした販売だったが、来年度(2005年3月期)以降、EIP(企業内ポータル)やセキュリティ製品、CRM(顧客情報管理)などの品揃えを順次追加していく。

業務システムの品揃え拡充へ

 ERPだけでは、顧客企業のすべての業務システムの要望に応えるのは難しいと判断。そこで、今年4月以降、EIPやCRM、セキュリティなどの業務システムの品揃えを順次拡充する。これまで、日本BEAシステムズのJ2EE準拠のアプリケーションサーバー「ウェブロジック」などミドルウェアには強かったが、業務システムの品揃えは少なかった。

 同社は、昨年度(03年3月期)まで、西日本エリアを中心にプロアクティブを販売し、グループ企業である住商情報システムの直販営業部門との競合を避けてきた。だが、住商情報システムが販売パートナー重視の姿勢を強めたことから、昨年4月から首都圏エリアでのプロアクティブ販売を積極的に始めている。競合他社が多い首都圏で戦うには、品揃えの拡充はますます重要となる。

 EIPやCRMなどの取り扱い製品の選定は今後詰める。一方、セキュリティ商材などは、住商エレクトロニクスが海外などから調達してきた商材をプロアクティブの中心ユーザーである中堅・中小企業向けに売り込む。

 土居陽夫・理事ビジネスソリューション事業部長補佐兼システムソリューション部長は、「内部漏洩を防ぐための社内文書の暗号化システムなど、当社の取り扱い製品のなかには、これまで中堅・中小企業市場向けに十分な紹介ができていなかった商材もある。今後は、取り扱い商材の中堅・中小企業市場へ売り込みを強化する」方針を示す。

 今年5月以降、住商情報システムは、プロアクティブの新製品としてJ2EE準拠版を製品化する。住商エレクトロニクスは、ウェブロジックでは「トップクラスの販売実績」(同社)としており、プロアクティブのJ2EE準拠は、この強みを発揮できる。

 来年度は、新規商材の拡充に加え、J2EEに準拠したプロアクティブの拡販などを通じ、同社システムソリューション部を中心とした業務アプリケーション関連分野の売上高を今年度比2けた増を目指している。(安藤章司)
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