“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>42.シーアイエス

2004/02/23 20:43

週刊BCN 2004年02月23日vol.1028掲載

 シーアイエス(CIS、船岡弘忠社長)は、CAD/CAMとERP(統合基幹業務システム)、ウェブ系システムの3つに経営資源を集中する。これら3分野は、ここ数年で急速に収益を伸ばしている。

特定分野へ経営資源を集約

 同社は、名古屋など中部地区を中心に事業を展開している。トヨタ自動車に代表されるような製造業に強いソリューションベンダーで、製造業向けのCAD/CAMのビジネスでは多くの実績を持つ。

 2002年からはERPのスーパーストリーム(エス・エス・ジェイ製)を本格的に取り扱い始めたのに続き、ウェブ系システムの受注実績も増やしている。

 94年度(95年3月期)は、ダウンサイジングにともなうハードウェア単価の下落などの影響を受け、約5億円の経常赤字に転落した。それ以来、ハード中心の収益構造を改め、収益性の高いソリューション・サービスへの移行を強力に推進してきた。低価格化が著しいパソコン販売が安値競争に陥った時は、あえてビジネスを「捨てる」こともあったという。

 さらに、昨年12月、これまでCISに対して19.74%出資していた日本ビジネスコンピューター(JBCC)が出資比率を60.52%まで引き上げ、CISを子会社化した。これにより、経営基盤の安定化とともに、JBCCの持つサービスインフラを活用できるようになった。

 今後は、これまでCIS単独では実現できなかった24時間体制でのネットワーク監視サービスや、競争力ある価格でのハードウェアのデリバリーなど、全国規模で展開するJBCCの経営資源をフルに活用する。

 船岡社長は、「CAD/CAMとERP、ウェブ系システムの注力分野は、今後とも引き続き伸ばす。一方、規模のメリットが求められるハードウェア販売や、24時間のネットワーク監視など、当社だけでは実現が難しい分野は、JBCCのサービスインフラを活用する」と、JBCCとの補完関係を強化することで、CISが得意とする分野に経営資源を集中していく方針だ。

 今年度(04年3月期)は、ソフト開発ビジネスの不調が足を引っ張り、売上高は前年度比約7%減の65億円、経常利益は前年度の8000万円に対して微減を見込む。今後、3つの注力分野を中心に、ソリューション・サービスの収益力を高めることで、来年度(05年3月期)は売上高70億円、経常利益2億円を目指す。(安藤章司)
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