変革セキュリティビジネス

<変革セキュリティビジネス>8.キヤノンシステムソリューションズ

2004/02/23 20:43

週刊BCN 2004年02月23日vol.1028掲載

 キヤノンシステムソリューションズの特徴は「三位一体」。高本勉・セキュリティソリューション事業部プロダクトマーケティング部長は、自社の特徴をこう表現する。セキュリティ製品の開発・販売、他社製品の代理販売、そしてセキュリティシステムのインテグレーション―― これら3つのビジネスモデルを手がける体制を持つ。「メーカーであり、ディストリビュータであり、インテグレータ。自社、他社問わず製品群を豊富に持ち、構築から運用保守まで総合的に面倒みられる」(高本部長)ことが強みというわけだ。

「三位一体」のビジネスモデル

 自社と他社から製品群を揃えるだけに、セキュリティ分野のカバレッジは広い。9社からの調達製品11製品と、5つの自社開発製品で9つの分野をカバーする。だが、セキュリティ市場が拡大し製品が多様化するなか、「総合的なセキュリティベンダーであるためには、現在のラインアップでは不十分」(番野邦彦・セキュリティソリューション事業部プロダクトマーケティング部営業企画グループマネージャー)と判断、さらに製品ラインアップの強化を急ピッチで進めている最中だ。

 他社からの調達ではファイアウォールとデスクトップセキュリティソフトを充実させており、自社では情報漏えい対策関連に焦点を絞って開発を進める。ファイアウォールでは従来、500人前後の中堅企業に適しているといわれるソニックウォールのファイアウォールのみを扱っていたが、昨年末から大企業向けではサイバーガード、零細企業向けではスナップギアのファイアウォールの調達販売も始めた。企業規模を問わず製品ラインアップを揃える戦略を打ち出しており、新たな顧客層の開拓を進める。

 さらに、クライアントパソコン向けのセキュリティを新たなビジネスフィールドとして注目し、3月から2モデルを企業および個人市場の双方で投入する予定だ。パソコンに対するセキュリティ関連ソフトは、昨年6月下旬から販売しているウイルス対策ソフト「NOD32」に並ぶ製品となる。一方、自社開発製品では、情報漏えい対策を主眼に電子メールチェックやウェブアクセス制御、ログ情報解析ツールなどを開発し、ラインアップを揃えたばかり。高本部長は、「急成長分野だが、競合も増えているだけに、今後も継続的な機能拡張が必要。独自機能の強化を図っている」と話す。(木村剛士)
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