“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>41.JBCC

2004/02/16 20:43

週刊BCN 2004年02月16日vol.1027掲載

 日本ビジネスコンピューター(JBCC、石黒和義社長)は、自社製業務アプリケーションの販路開拓に力を入れる。JBCCは約200社の販売パートナーをもっており、これらパートナーの販売チャネルを活性化することで、業務アプリケーションの販売増を狙う。同社の販売パートナーは、これまでハードウェアの取り引きを中心としたもので、ソフトウェアやサービスの取り扱い比率は低かった。

販売パートナーの活性化に注力

 販売パートナー経由での販売本数を増やすため、販売促進に向けたインセンティブ導入や、システムインテグレーションが発生したときの技術支援などを4月の新年度から本格的にスタートする。

 JBCCは、グループ子会社にプリンタ装置開発のアプティ(山本健治社長)を持つなど、プリント関連の技術力は定評がある。この強みを生かして、ウェブ対応の印刷支援システム「プリントプロ」シリーズを2001年に自社開発した。これまで約300社の顧客企業に納入し、実績を積み上げた。今年度(04年3月期)の自社製業務アプリケーション関連のライセンス売上高約5億円のうち、約3分の1をプリント関連アプリケーションソフトが占める見通し。

 04年度は、このライセンスの売り上げで前年度比約2倍の約10億円を目指しており、販売パートナーの活性化が事業拡大に欠かせないと判断。このために、パートナー収益に貢献する販売プログラムの拡充に乗り出した。JBCCによる直接販売が中心だった販路を、今後は販売パートナーをはじめとした販路の拡充を本格化させる。

 プリントプロなどのパッケージ製品は、通常、導入時にシステム構築が発生し、最終的な納入価格はライセンス価格の20-50倍になるケースもある。谷口卓・執行役員は、「ライセンス販売だけでなく、システム構築やサポートサービスも含め、一括して販売パートナーに任せることで、販売パートナーの収益率アップに貢献する」と、販売を増やすことがパートナー自身の業績アップにつながる仕組みを採用する。

 企業の情報システムのウェブ化が進むなか、ウェブブラウザから帳票を出力するときに「表示画面と印刷画面のレイアウトが一致しない」といった問題が起こりやすくなっている。ウェブ対応のプリントプロは、こうしたブラウザからの帳票出力にも対応したシステムであり、ウェブシステムの採用が増えることで引き合いが急増しているという。(安藤章司)
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