変革セキュリティビジネス

<変革セキュリティビジネス>1.日立製作所

2004/01/05 20:43

週刊BCN 2004年01月05日vol.1021掲載

 グループ連携とわかりやすさ――。日立製作所が推し進めるセキュリティビジネス拡大へのキーワードである。  日立は、17社のグループ会社と共同でセキュリティビジネスを展開しており、自社製・他社製問わずに幅広く製品を揃える。日立の中でセキュリティを手掛ける事業部は多岐にわたる。事業体制が大規模であるために、「各事業部、グループ会社との連携が重要」と、長谷川大造・情報・通信グループセキュリティソリューション推進本部部長代理はセキュリティビジネス飛躍へのカギを話す。

“連携とわかりやすさ”を核に

 連携強化のために、一昨年春に「セキュリティソリューション推進本部」を新設した。セキュリティビジネスを実際に手掛けるのではなく、日立グループ全体のセキュリティビジネスの取りまとめ役を担う部署である。

 「各社それぞれの切り口でセキュリティビジネスを手がける中で、共有できるノウハウやスキルがある。セキュリティニーズの変化が激しく、製品・サービスが複雑化する現在の市場環境下では、舵取り役は必要だった」と話す。同部署では新たな製品・サービスの提案、ノウハウやスキルの共有、ユーザーの声の集約などを行う。

 日立のセキュリティビジネスは、1999年に、グループ会社も含めたセキュリティソリューションの総合的な総称「Secure Plaza(セキュアプラザ)」を策定したことから本格的に動き出した。「セキュアプラザ」は、グループ会社でも共通のセキュリティソリューションの基盤として使われており、連携をここでも強める。

 現在では製品・サービスが増えたことから、「目的別ソリューション」、「ステップ別ソリューション」の2つに区切り、「目的別」では、セキュリティ対策を9つの段階に区分け。セキュリティポリシー策定から保険までを提供するラインアップを揃える。「セキュリティへの取り組みは順序を追って説明するのが一番分かりやすい」(長谷川部長代理)としている。

 成長市場とはいえ、あくまでセキュリティはシステム構築事業のなかの一部分に過ぎない。「セキュリティだけを切り出しても、大きなビジネスにはならない」と、長谷川部長代理はそう位置づける。

 複雑・多様化した製品・サービス群に対して、各事業部、グループ会社がいかにセキュリティを容易に盛り込んでいける体制を作れるかが、重点施策となっている。(木村剛士)
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