多様化するセキュリティビジネス 各社の戦略を追う
<多様化するセキュリティビジネス 各社の戦略を追う>19.インテリジェントウェイブ
2003/12/15 20:43
週刊BCN 2003年12月15日vol.1019掲載
内部情報漏えい対策に焦点
■2-3年後には100億円規模の事業へ
決済システム構築は、高いセキュリティレベルが求められる分野であり、クレジット会社などの特定業種向けにクレジットカードの不正利用検知システムを手がけていた実績はある。だが、「システム構築の中のパーツの1つという位置づけで影に隠れていた」(山本常務)という。成長市場であることと、「手を加えれば、一般企業にも横展開できるノウハウが社内に蓄積されており、有効活用しようと考えた」(山本常務)ことがセキュリティ事業強化の理由。これまでの特定業種以外にもセキュリティビジネスを手がけていく方針だ。今年に入ってから製品・サービスの開発体制を確立、本格的に始動した。
まず既存の不正利用検知システムを台湾などの海外市場向けに拡販。9月には一般企業や官公庁など、これまでの特定業種以外にもアプローチする第1弾製品、内部情報漏えい防止システム「C-WAT」を開発した。「個人情報保護法成立や多発する情報漏えい事件の影響から今最も旬な分野」(山本常務)であることで、第1弾製品として選んだ。
また、伊藤忠商事と伊藤忠テクノサイエンス(CTC)の合弁会社アイ・ディフェンス・ジャパンにも出資。セキュリティ情報の提供や脆弱性診断サービスなどを提供する同社と協業体制を結び、セキュリティビジネスの領域を広げた。今後もアライアンス戦略は重視していく。
さらに、コンシューマ向けセキュリティソフト市場にも参入。今後もセキュリティやユーティリティ分野を中心に毎年2-3製品を投入していく計画だ。山本常務は、「利益はもちろん重要だが、セキュリティを主軸に育てるためには知名度を向上させる意味でも重要な位置づけ」と、利益を確保しにくいコンシューマ向けビジネス開始の理由を話す。(木村剛士)
- 1