多様化するセキュリティビジネス 各社の戦略を追う

<多様化するセキュリティビジネス 各社の戦略を追う>15.ネットスクリーン・テクノロジーズ・ジャパン

2003/11/17 20:43

週刊BCN 2003年11月17日vol.1015掲載

 主力製品のファイアウォールで、ワールドワイドで約20万台の出荷実績を持つネットスクリーン・テクノロジーズ。日本市場は全社の売上高比率で約1割と低いが、前年に比べ約80%増の急成長を遂げている。2001年5月に設立した日本法人のネットスクリーン・テクノロジーズ・ジャパンの原田英昭社長は、現在のファイアウォール市場を「買い替え需要が活発化している時期」だと分析する。

買い替えニーズに手応え

■IDS機能も包含したファイアウォール

 大企業を中心に「新規の需要は頭打ち状態にある」(原田社長)が、その一方で導入済みのファイアウォールの機能では満足しなくなり、さらに高性能の製品を求めており、買い替えのニーズは急増しているという。製品ラインアップはSOHO向けから大企業向けまで8製品と幅広いが、ネットスクリーン・テクノロジーズは、もともとユーザー規模の大きいハイエンドモデルを得意としてきただけに、買い替えニーズの拡大は大きなビジネスチャンスになっている。今年度では国内出荷台数の約6割が、買い替えによるものだという。

 ファイアウォールに求めるユーザーの要求が多様化している状況に、独自OSのバージョンアップなどで対応するとともに、企業買収で獲得した新技術も自社製品に取り込んでいる。昨年9月、米本社はセキュリティベンダーのワンセキュアを買収し、IDS(不正侵入検知システム)機能を取り込んだ。今年12月に発売する新製品では、現在のラインアップに、ワンセキュアのIDS機能の一部を組み込んだ製品を、価格を据えおいたまま提供する。また、来春にはIDSのフル機能を搭載した製品を新たに提供する。「ユーザーのニーズはさまざま。ラインアップを揃えることでユーザーの声にくまなく応える」(原田社長)としており、製品群を広げることでユーザーニーズに応えていく。

 同社が今後、着手しなければならないテーマとして掲げているのが、販売代理店となるパートナーの強化だ。原田社長は、「日本法人の役目は、いかにパートナーに売りやすい環境を提供できるか」として、100%間接販売であるためにパートナーの強化は重要なテーマという。日本法人設立時には4社だったパートナーも、現在では9社にまで拡大した。今後も継続してパートナーを増やしていく方針だ。(木村剛士)
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