多様化するセキュリティビジネス 各社の戦略を追う
<多様化するセキュリティビジネス 各社の戦略を追う>14.ノキア・ジャパン
2003/11/10 20:43
週刊BCN 2003年11月10日vol.1014掲載
ファイアウォールで勝負
■中小規模ユーザーの需要開拓へ
「ユーザーの大半が500人以上の大企業」(同)と、既存のユーザー層が大手に偏っていることから、先月下旬に小規模オフィス向けファイアウォールの新製品を追加した。9種類のラインアップの中で、SOHOから小規模オフィスをターゲットにしたローエンドモデルをこれまでの2種類から4種類に拡充した。ユーザー層の裾野拡大に加え、ファイアウォール以外のセキュリティ製品の拡充も強化ポイントだ。企業買収などで自社に技術や製品を取り入れるわけではなく、他のセキュリティベンダーとの協業によって、製品ラインアップを増やす。複数の機能を1つの筐体に統合する製品が競合他社の最近の戦略にあるが、柳下マネージャーは、「パフォーマンスの低下や管理の複雑さなど、統合することが良いとは言えない」と否定する。あくまで、それぞれの機能に特化した製品を揃えていく方針だ。
現在、トレンドマイクロ、インターネットセキュリティシステムズ(ISS)などと提携し、ウイルス対策や不正侵入検知システム(IDS)を備えた製品をラインアップしており、今月下旬には米セキュリティベンダーのポスティーニと提携し、スパム対策製品も追加する予定だ。今後は、同社のメインビジネスである携帯電話を中心としたモバイル関連事業と連携を取った製品・サービスの開発に力を入れていく。柳下マネージャーは、「当社の強みはモバイル関連ビジネスに実績があること。企業向けのモバイル関連ビジネスは今後も拡大し、それと組み合わせたユニークなセキュリティソリューションの提供で、他社と差別化する」と、意欲をみせる。
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