“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>27.イー・ティ・オー・エー

2003/10/27 16:18

週刊BCN 2003年10月27日vol.1012掲載

 イー・ティ・オー・エー(eTOA、滝澤正行社長)は、得意の地域密着・業種特化の体制を強化することで、収益力の強化を図る。同社は、中期経営計画で、2005年度(06年3月期)までに昨年度(03年3月期)との比較で売上高約1.5倍の30億円、経常利益約10倍の3億円を目指す。

業種特化で売り上げ1.5倍目指す

 82年の創業以来、主に首都圏の中堅企業をターゲットにしたシステムインテグレーション事業を展開。電材業向けシステム「プロフィットネオ」、アパレルメーカー向け販売管理システム「スペース」、金融業向け債権回収進行管理システム「リターン」など、さまざまな業種業態に特化した業務システムを開発してきた。

 これら業種特化型の業務システムの品揃えをさらに強化し、収益増を達成する。自社開発にこだわることはなく、他社の業務アプリケーションも積極的に採用する。今年4月からは、内田洋行のERP(基幹業務システム)「スーパーカクテル」の販売管理部分を新しく採り入れた。

 eTOAも、自前の販売管理システムをもっていたが、「総合的に比較して、スーパーカクテルの方がレベルが高い」(同社)として、採用することに決めた。

 また、全国のスーパーカクテルを扱うシステムインテグレータで組織する「全国ユーザック会」(山下司会長=エス・アイ・ユゥ代表取締役)の活動にも着目。同会では、全国およそ100事業所が集まり、スーパーカクテルの業種事例などを持ち寄って研究する活動を続けている。今年7月には、全国ユーザック会の幹事会社となり、より積極的に参加することに決めた。

 さらに、セキュリティ、ビジネス・インテリジェンス(BI)、アウトソーシング関連など、アプリケーションパッケージを基盤としたシステム構築に力を入れる。

 滝澤社長は、「事業拡大には新規顧客の開拓が欠かせない。この足かがりとなるのが業種別のパッケージアプリケーション。『なんでもできます』と言って、業務システムの受託開発を申し出ても、新規顧客の開拓はほぼ不可能。パッケージをもって顧客先へ積極的な提案型の営業を展開することが大切」と話す。

 同社は02年4月に東芝の子会社となり、今年10月の東芝グループ再編で東芝ソリューションの傘下に入った。東芝ソリューションとの密接な連携を保ちつつ、首都圏を中心とした中堅企業に焦点を当てたシステム構築事業を担当する。(安藤章司)
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