多様化するセキュリティビジネス 各社の戦略を追う
<多様化するセキュリティビジネス 各社の戦略を追う>11.ソニックウォール
2003/10/20 20:43
週刊BCN 2003年10月20日vol.1011掲載
中堅・中小企業のニーズに対応
■ファイアウォール製品に新機能
同社のメインターゲットは、ユーザーの約8割を占めるという500人以下の中堅・中小企業。SOHOや100人以下の企業も多いという。日本市場の指揮を執る後藤聖治・カントリーダイレクタは、「創業当時は、ファイアウォールベンダーといえばチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズしかなかった。しかし、チェック・ポイントの製品は、管理が難しく価格も高くて、中小企業には手の届かない製品だった。当社はその点に着目し、創業当初から中小企業のニーズを製品開発に取り入れてきた」と、中小企業のユーザーが多い理由を話す。同社は、11月上旬から発売する新製品で新たな戦略を打ち出し、ユーザーのさらなる拡大に乗り出す。従来の機能に加え、ウイルス対策やスパム対策、IDS(不正侵入検知システム)などの機能を追加していく。後藤ダイレクタは、「セキュリティ市場では、複数の機能を統合した製品が今後の主流になる。当社としてもファイアウォールなどの従来機能に加え、1つのハードでさまざまな機能を提供する製品を準備していく」としており、機能拡充でユーザーの利便性向上を図っていく。
また、新たに搭載する新OS「ソニックOS」では、ローエンドとハイエンドモデル用にそれぞれOSを開発した。「ユーザーの約8割はシンプルなネットワーク環境で利用しているが、残りのユーザーは大企業が中心で、複雑なネットワーク環境で利用している。それぞれのニーズには相違点があり、細かな部分で双方の要望にも応えられるようにした」(後藤ダイレクタ)という。販売は、キヤノンシステムソリューションズ、丸紅ソリューション、エヌ・ティ・ティエムイー(NTT-ME)、フォーバルクリエーティブの1次代理店を通じた100%間接販売。昨年11月には2次代理店の支援制度を設け、また、年内にはサポート体制を24時間365日体制にするなど、パートナーへの支援体制を強化しており、販売網の拡充にも力を入れている。
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