立ち上がるグローバルサプライチェーン ロゼッタネットの衝撃
<立ち上がるグローバルサプライチェーン ロゼッタネットの衝撃>7.欧米では新たな動きが…
2003/10/13 16:18
週刊BCN 2003年10月13日vol.1010掲載
次に新たに設立を計画しているのがロジスティックカウンセルである。FedEx(フェデックス)、UPS(ユナイテッド・パーセル・サービス)、Exel(エクセル)、DHL、インテル、ヒューレット・パッカード(HP)、デルなどが中心になり、設立に向けた会議が8月に開催され、10月設立を目標に作業中である。この動きは、従来のロゼッタネット標準導入が、受発注、在庫管理、生産情報交換などの製造工程に関連するプロセスから、物流プロセス、設計情報・データ交換プロセスなどにも拡大されて来たためである。特にアジアでの電子通関申告のプロセス、欧米での第3者物流・VMIプロセスとそれに付随する入金決済の自動化などと、物流業界に密接に関連してくるものへと次第に拡大してきたことにより、世界的な物流業者が将来への布石のために、業界を越えて本格的にロゼッタネット標準に対応し始めたといえる。
これらの動きを整理してみると、1つはロゼッタネット標準を導入しようとする産業分野の拡大の動きであり、もう1つはサプライチェーンを構成するビジネスプロセス分野の拡大の動きである。前者はテレコム分野、物流分野への拡大であり、後者は、設計開発・セールス・物流プロセスでの欧州環境規制対応の環境情報データの交換であり、米国ディストリビュータ業での積算・在庫補充・納入回答の自動化であり、電子通関申告・第3者物流・VMI・決済プロセスへの対応などである。さらにロゼッタネットではそれにともない金融関連業界、SWIFT(国際銀行間電気通信協会)などとの連携を深めつつあり、加えてUCC(コード統一委員会)との合併、OASIS(構造化情報標準化団体)との連携などによるシナジー効果が発揮されれば、さらに新たな分野が開かれてくる。日本企業としても、こうした欧米の動きに注視し、将来布石に向けて積極的に対応していく必要があると言えよう。(ロゼッタネットジャパン事務局 事務局長 辰尾 孝)
- 1