大航海時代
<大航海時代>第22篇●新しき勇者たちへ 第99話 長生きの秘訣
2003/09/22 16:18
週刊BCN 2003年09月22日vol.1007掲載
水野博之 大阪電気通信大学副理事長
沖縄の海岸線の美しさは世界有数であろう。私の体験でもこれに匹敵するのは、米西海岸のモンタレーからメキシコに至る沿岸だけのように思われるが、海の美しさ、ということになると、沖縄の比ではない。特に夏場の沖縄の海は大変おだやかで、水泳にはもってこいである。もっとも、我が敬愛する運転手さん曰く、「沖縄の人間には海水浴なんて習慣は長いことなかったですわい。私どもは必要に応じて海に入り、海と生活していましたで」。言い換えると、沖縄の人達にとって、海は生活の一部であったのであろう。まあ、我々が空気を吸い、飯を食うのと同じ感覚で海と共存していたものと思われる。まさに海洋民族と呼ぶにふさわしい。そういえば、私の関係している高知工科大学の学生に沖縄出身の子がかなりいて、夏のヨサコイのリーダーなどをやっている。聞いてみると、先祖代々、高知と交易があって、祖父あたりからよく話をきき、親近感があった、という。
恐らく、昔から血縁的には深いものがあったのであろう。もっとも、現在では帰省は大変で、本州をまわって帰る、ということになってしまっているようである。「まあ、ノンビリ列車で帰るのも悪くありませんがねぇ」と、如何にも沖縄の人らしい屈託のなさであった。
さて、沖縄、沖縄と書いてきたが、歴史的に琉球と呼ばれてきた。いい名前である。ロマンチックでありながら毅然としている。琉球の人は昔から長生きである。長生きの秘訣は何といっても食べ物であろう。琉球の食べ物の最初にくるのは豚である。豚は油が多いから、あまり食べないように、なんていわれていたのはついこの間までで、生来、豚が好きな私は、心臓の負担を心配していささか遠慮をしていたが、「百聞は一見に如かず」。豚君の迷惑も考えず大安心をして帰ってきた。さあ喰うぞ!!(沖縄・ブゼナ・ビーチにて)
- 1