立ち上がるグローバルサプライチェーン ロゼッタネットの衝撃

<立ち上がるグローバルサプライチェーン ロゼッタネットの衝撃>4.環境情報の辞書化に取り組む

2003/09/22 16:18

週刊BCN 2003年09月22日vol.1007掲載

 電機・電子業界にとって環境規制への対応は待ったなしの状況だ。EU(欧州連合)は2006年7月に特定の化学物質の使用を禁止するRoHS(有害物質規制法)と製品のリサイクルを定めたWEEE(電子電気機器リサイクル法)をスタートする。これに対応して、IT企業は環境規制に抵触しない物質の使用と、禁止物質を使用していないかどうか、グリーン調達を厳密にする必要が出てくる。

 これまでは各企業が独自に化学物質の調査を行ってきたが、電子部品などに使用する化学物質は膨大な数に上り、1つ1つの調査は時間と費用がかかるという欠点がある。そこでグリーン調達調査共通化協議会(JGPSSI)はこのほど、29の化学物質群に分類したグリーン調達ガイドラインを策定し、7月から運用を開始した。今回策定されたガイドラインは、欧州情報通信技術製造者協会(EICTA)と米国電子工業会(EIA)と共同で検討されており、グローバルスタンダードとして機能することを目指している。

 グリーン調達のグローバルスタンダードが確立されれば、ロゼッタネットでも環境情報の授受を紙に代わって電子で行うことにしている。もともとロゼッタネットでも、02年末に、膨大な数の化学物質の調査の負担を軽減することを目的に、ノキアが提唱し、ソニーがこれに賛同して、ロゼッタネットの方針であるマイルストーンプログラムのスポンサーとなることで、化学物質群を「辞書」に掲載しようという動きが始まった。これを受けて、ロゼッタネットジャパンでも今年2月に環境情報ワーキンググループを立ち上げて、化学物質群を含む環境情報の辞書化に取り組んでいる。その作業に参加しているのは、現在19社だ。

 EICTA、EIA、JGPSSIで進められていたグリーン調達ガイドラインのための化学物質のリストアップは、今年1月末に29の化学物質群を定めることに決まった。これを基本にして、膨大な数の固有の化学物質が調査されることになる。この決定から、ロゼッタネットのパートナーはこの調査をベースに辞書を使って環境情報を授受することを宣言した。ロゼッタネットジャパンでも電子情報技術産業協会(JEITA)の賛同を得た辞書化の作業が大詰めを迎えている。ロゼッタネットジャパンが作成している辞書は10月には完成する予定だ。(監修 ロゼッタネットジャパン事務局)

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