“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>16.CEC

2003/08/04 20:43

週刊BCN 2003年08月04日vol.1001掲載

 下請体質ではソリューションビジネスはあり得ない――。ソフト開発のシーイーシー(CEC、宮原隆三社長)は、アプリケーションパッケージの品揃えを強化することで、(1)攻めの営業体制の構築、(2)他社とのアライアンス(提携)の推進、(3)パートナー販社網の整備――の3つに力を入れる。

自社開発CRMを大幅強化

 今年7月下旬には、.NETフレームワーク対応のCRM(顧客情報管理)ウェブアプリケーション「ワンダーウェブ・フォー・.NET」の販売を始めた。.NETに対応することで、ウェブサービスなど次世代システムへの互換性を高めた主力製品だ。

 本多光男・ソリューション営業本部統括部長マーケティング部長は、「昨年から営業体制を強化し、現在100人前後の体制に拡充した。当社のCRMと他社のERP(基幹業務システム)、マイクロソフトのサーバーやデータベースと組み合わせて販売し、相乗効果を発揮させていく」と話す。

 ユーザー企業に対する営業については、「企業活動は、顧客ありき。情報システムも顧客サービス向上のために活用すべきだ。CRMの重要性はますます高まっている。基幹系システムの再構築でも、CRMを前提にした設計であるべき」と売り込みに力を入れる。

 CECは、7月2日に発足した「.NETビジネスフォーラム」の発起人企業10社のうちの1社として参画しており、.NETビジネスの立ち上げに尽力している。同フォーラムは、.NETビジネスの推進を目的に、発足から1年間で200社の会員を集める予定だ。「それぞれの得意分野を持ち寄り、.NETビジネス推進を目的としたアライアンスを積極的に広げる」(本多部長)と意欲を見せる。

 CECでは、「今年6月に登場したウィンドウズサーバー2003は、ウィンドウズプラットフォームが、より大規模でミッションクリティカルな情報システムの領域に進出する推進役になる」と予測する。これを見越して、今回発売した「ワンダーウェブ・フォー・.NET」のライセンス価格を、従来の「10ユーザー53万円から」を「100ユーザー530万円から」へと大規模需要をターゲットとすることを鮮明にした。今後3年間で30億円以上の売り上げを狙っている。

 ワンダーウェブは、国内で約250社、累計2万5000クライアントに納入実績がある定番ソフト。CECは、ワンダーウェブの他に、ミドルウェアを中心に海外製パッケージソフトの品揃えも多い。(安藤章司)
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