Japan STOCK
記録づくめの相場、キヤノン上場来高値
2003/06/30 16:04
週刊BCN 2003年06月30日vol.996掲載
ヤフーは相変わらず人気
活況が続く東京市場。日経平均株価は9100円台と半年ぶりの高値水準に上昇。東証1部の出来高10億株台は6月20日までで17日間連続に。象徴的だったのが、キヤノンと日産自動車の上場来高値更新。いくら業績が良くても需給悪(年金の代行返上売り、持ち合い解消売りなど)から株価がなかなか上がらない、というのが今年4月までの状況だった。しかし、外国人という強力な買いセクターが登場、それに勇気づけられる形で国内の機関投資家も重い腰を上げた結果、好業績株を買えば上がるというわかりやすい展開になった。
キヤノンは2003年12月期の業績が過去最高益を更新、しかもユーロ高の効果で増益幅が拡大する見通しとなり、00年7月につけた上場来高値5620円を更新した。
外資系のモルガン・スタンレー証券ではイラク戦争後の世界の株式市場で日本株の出遅れを強調。「日本を買う」として10銘柄(ドコモ、キヤノン、ホンダ、武田薬、三菱東京、野村證券、ファナック、イオン、JFE、鹿島)を海外を含めた機関投資家に提示するなど、日本株のウエートを上げるために手っ取り早く業界を代表する企業に投資する動きも出ている。
大型ハイテク株などの幅広く株価の水準訂正が続くなか、ソフトバンクが今年2月の高値1767円を更新、売買代金でも上位に顔を出した。米国市場でのヤフー、アマゾンなどのネット関連株の株価上昇が刺激になっているほか、ドイツ証券が「株価1900円目標」を掲げるなどのアナリストの評価が高まっている。大型株に買い疲れ感が出始めたなかで個人投資家に根強い人気のこの株が格好のターゲットになった。昨年6月以来の2000円回復が読まれる。
ヤフーは170万円台と最高値圏で推移。人気が東証1部の大型株に移り、先行して上昇していたジャスダックなど新興株式市場に勢いはなくなっているものの、ヤフーは相変わらずの人気。6月20日の株主総会では「東証上場の申請は未定」と株主の質問に答えた同社だが、マーケットでは「8月東証上場」がコンセンサスになっているようだ。
ところで、6月30日から売買手口が非公開となる。売買手口とは「○会社株式を○証券が○株買った」という証券会社の売買に関する情報。
これまで東京証券取引所(東証)が証券会社にそのデータを開示し、投資家はその情報を証券会社を通じて手に入れていた。「外資系の○証券が大量に買いを入れているからこの株は有望」といった具合に大口の投資家の動向を投資に利用できた。
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