“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>8.日本ビジネスコンピューター(上)

2003/06/02 20:43

週刊BCN 2003年06月02日vol.992掲載

 日本ビジネスコンピューター(JBCC、石黒和義社長)が、ネットワーク分野の改革を進めている。

ネットワーク分野の改革を断行

 同社のネットワーク分野の売上高は、昨年度(2003年3月期)が前年度比17.9%減の約84億円となり、今年度(04年3月期)も同25.3%減の約63億円を見込むなど、引き続き減収傾向が続く。

 だが、これは意識的な構造改革を断行している結果なのである。ネットワーク分野のなかには、ルータやハブなどネットワーク機器が含まれている。売上減の背景には、これら機器の単価がブロードバンドの浸透などの影響で急激に下がっている点が挙げられる。

 同社では、単価の下落分を「売上増でカバーする」という方策を取らず、別の施策から高収益体制を再構築する。

 その基盤となるのが、この5月、神奈川県横浜市に移設・拡張した「ソリューション・マネージメント・アンド・アクセスセンター」、通称SMAC(スマック)である。

 SMACは、あらゆる主要なネットワークサービスを提供する拠点であり、最新鋭の設備を備える。

 まず、(1)02年10月の時点で、ネットワーク機器販売を約10人弱で構成する「ネットワークビジネスセンター」に集約した。これにより、薄利のネットワーク機器販売において、効率的な運用を可能にした。営業担当者が1台1台販売していたのでは、到底採算が合わないからだ。

 (2)同時に、営業担当者の予算目標のなかから機器販売を外し、そのかわりに遠隔監視や各種ASP(サービスの期間貸し)、セキュリティなど、付加価値の高いネットワークサービスを予算のなかに盛り込んだ。

 (3)今年5月のSMACの移設・拡張に合わせて、SMACのサービスメニューを順次、大幅に拡充する。まず第1弾として、5月末から「ファイアウォールマネジメントパック」の販売を始めた。これは外部からの侵入を防ぐためのネットワークセキュリティサービスで、月額料金による完全なサービス販売に特化する。

 次回、より詳しく報告する。(安藤章司)
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