情報モラルとセキュリティ
<情報モラルとセキュリティ>1.もっとポジティブにアプローチできるのでは
2003/04/07 16:18
週刊BCN 2003年04月07日vol.985掲載
セキュリティ技術は他の新技術とは違い、「見えないところ」で使われることが多いため、積極的にアピールしなければユーザーはその存在にも気がついてくれない。
そこで、私たちはこのマークをつくったわけだが、これにはもう1つ大きな狙いがある。それは、セキュリティ技術に対するイメージを変えることである。
私たちの著作権保護活動とセキュリティ技術は密接な関係にある。著作権は著作権法だけでなく、コピープロテクト技術やコピーコントロール技術などのDIPTによっても守られているからだ。著作権者にとってDIPTは「心強い味方」である。
ところが、DIPTの広告やパンフレットなどを見ると、あまりそういう風には紹介されていない。「社員の違法コピーによる賠償責任を免れる」、「不正アクセスによる情報漏洩を防ぐ」といった具合に、「脅威」を前面に出し、「リスクの軽減」を歌い文句にしたものが目立つ。
確かに、これもDIPTのセールスポイントの1つだろう。しかし、セキュリティ技術のもっている可能性は、本当にそれだけなのだろうか。私は違うと思う。セキュリティ技術には、もっと前向きな、もっとポジティブな面もあると思う。それは「情報モラル」からアプローチしてみる方法だ。
ACCSの活動というと「違法コピーの摘発」と思われている方がいるかもしれないが、そうではない。ここ数年来、私たちが掲げているスローガンは「情報モラルの確立」。私たちの運動の究極の目標は、情報モラルを確立し、健全な情報社会をつくることである。「違法コピーの摘発」も情報モラル確立のための運動の一環と位置づけている。
私は、セキュリティ技術もまた、この文脈の中で語ることができるのではないかと思っている。いや、単に思っているのではなく、そのように語るべきではないかと考えている。
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