進化するJ2EE その真髄とは
<進化するJ2EE その真髄とは>1.Javaが重宝されるわけ
2003/04/07 16:18
週刊BCN 2003年04月07日vol.985掲載
小遣いでコンピュータを購入する個人ユーザーは、通常それほどたくさんのコンピュータをもたないし、いくつかもっていたとしても、ソフトウェアを開発することは少ないだろうから、「何ができるか」とか「メモリが少なくても動くか」ということが重要であろう。
しかし、企業がもつコンピュータは違う。今日、企業にはたくさんの種類のコンピュータが山ほどあり、その上で企業の業務を支える「基幹業務アプリケーション」を実行する必要がある。基幹業務アプリケーションは企業活動を根底から支え、業績に直接影響することが考えられる。
多くのアプリケーションは、昔から使っているものだったり、新規に作るものだったりする。「さっと作って、古くなったら捨てて、またさっと作る、というのを繰り返せば良い。さっと作るコストをどんどん下げれば、それで全体の開発コストは下がる」と考える人もいるようだが、本当にそうだろうか。
これらのアプリケーションを作るのは誰か? 企業アプリケーションの多くは、ソフトウェアベンダー、システムインテグレータ、そして、ユーザー企業自身などが作ることになる。そして、みな誰もがソフトウェアを宝物として大切に使ってもらえるよう、努力する。
金やダイヤモンドが宝石として重宝される理由の1つに、「長持ちする」というポイントがある。金もダイヤモンドも、他の物質と化学反応を起こしにくく、炎にでも包まれない限り、壊れることはない。
アプリケーションを長持ちさせるための努力は、実に長く行われてきた。その中で最も大きな結果をもたらしたのがJavaであろう。Javaのプラットフォームへの依存度が低い。これにより、ソフトウェア開発者はJavaアプリケーションに対して以下のような価値を付加できる。
まず、アプリケーションが長持ちする。企業のプラットフォームは、さまざまな理由で置き換えの時期を迎えることになるが、Javaアプリケーションなら、ミドルウェアやOSが変ったときにもそのまま使い続けることができる。
また、商用アプリケーションは、多くの人に供給できる。アプリケーションを売るベンダーは多くのOSやミドルウェアを対象にできるので、儲かるし、多くのユーザーに供給することで品質も上がる。
企業の資産であるアプリケーションを長持ちさせ、価値を高める方式としてJavaは多くの開発者の支持を得ている。企業アプリケーションの命を守ることは、私たちIT技術者の使命であることを忘れてはならない。
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